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心のこと

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画像は2019年3月9日、アリーナ前で。プレイオフファイナル初日、サハリン戦直前の空は、こんなにも美しかった。心の動きを詩にしています。
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2020年4月の記事一覧

天秤

天秤の端と端に それは在るようです 各々の真っ直ぐ先に正対し 支点を挟んだ そこは対極です 力点は遠いほど作用が強まります 回り始めれば大きな円を描くのです 2つが遠くに在ればあるほど 囲む世界は広がります 一方が傾いだ時は錘を加えます 地に落ちる時がもしも来るなら 少しずつ少しずつ後退り 均衡が保てるようにと整えます 見えない電波 聴こえない周波数で 交信することができるなら その永久燃料は永遠の動力を生み 人生の回転は悠々と続いていくでしょう 間にはいつも同じだ

浮上

ゆらゆらと 湖底へ沈む 時が止まる 無音の世界へ ゆっくりと落ちていく 心地よい感覚 見つからない場所 魂だけが底に生きる ふと聴こえる 硬質で深く響く声 湖面を透かして 燃える火球が見えた 日輪が呼んでいる  我此処に在り  宇宙(ソラ)へ わたしは月 その輝きを映すモノ 五感を覚まし 現世へ還ろう 命満ちる世界だ 心震わせ生きていく 此処こそが居場所だ おうち時間が長すぎて、本を読んだりnoteを読んだりして、声も出さずに過ごしていたら、精神世界にどっ

お願い

どうやらわたしは 随分と欲深だったようです あれこれと 失くしたものを惜しんでは 思い出ばかりを大事にします 寂しいのはどうしてでしょう 心細いのは何故なのでしょうか わたしは強いはずなのに わたしは守る者なのに 真っ直ぐにすっくりと 自分の力で立っていたくて 大好きな木々にも問いかけました わたしの心を整えるのは わたし自身がすることで 他の誰にも出来ないことが わたしの心を寂しくします 会えない悲しみが世界を覆い わたしの心に流れ込むから あの笑顔に会いたくて

問答

屋上を優に超える背丈があって 堂々たる姿の兄ブライアン 肩口に頭を寄り添わせるようにして 静かに在るのは弟のロイ 大好きな針葉樹の兄弟です 彼らが見守る部屋のなかには 喜怒哀楽が満ちています 色々な想いが調和を生み 真っ白なキャンバスへ 毎日新しい絵が描かれます ロイとブライアンの兄弟は そんなわたし達をただじっと 黙って見守っているのです 笑いが弾けている時は 気配を忘れるほどじっと居て 怒気や悲しみが満ちてくると 何故かそっと目が合うようです 色々が混じり合い

お届け物

陽が落ちて 闇が満ちる頃になると わたしの胸の真ん中が ほんわり温まり始めます 大きな翼の内側に すぽりと包まれたかのようで 全ての不安と恐れから 優しく解放されるのです 守られているのですね 多くの人の心によって 澄んだ夜気に想いは響く 何処から届いたものでしょう その正体は知らずにいます いつもわたしの心を助ける 差出人不明のお届け物です

ふるふる

その細やかな振動は 真の芯に広がっている 亜空間へ響きわたります 胸が苦しく感じるのは 不相応なほどの容量の コンタクトがあるからです 溢れてきます 涙も想いもどちらとも 涸れる事なく止め処なく 渾々としんしんと 湧き出積もる一方です 苦しいわけではありません 悲しいこともありません ただ ただ幸せです あなたが在ると思うだけで 過ごした日々があるだけで

誰かと心を繋ぐときには 向かい合い両手を広げ 出来た円の内側に 静粛と透明を想像します  それは深い森に隠された  命を守る静かな湖水 揺れる水に心が溶けて 行ったり来たりと混じり合い さざ波の波紋が心のうちで 重なるように感じ合えるなら その絆は何があっても 壊れることはありません