uni-ball signo：私の筆記を支えてくれるのはシグノ0.38。美しいものはかっこいい
私の文房具「好き」はこれぐらい
文房具をたくさん集めたり、色々比較して調べたりすることは無いので自分のことを文房具好きとは思っていない。SNSなどで文房具店や文房具好きの方の色々な情報を見るのは楽しい。でも自分は片付けが苦手だし、年をとってくると食べ物以外のものをあまり買わなくなってきたので、新しい文房具を買うことも少なくなってきた。それでも文房具屋さんは昔からワクワクする場所だったし、このペンいいなと思えるものに出会うと喜んでしまう。私の「好き」はそのぐらいの感じ。
学生だった私は一目で虜に
昔、このシグノのゲルインクペンが登場した時にブルーブラックという色があることに驚いた。赤、青、だけじゃなくこんなオシャレな色があるなんて信じられない。深く暗い青だった。私はその時一生この色を使い続けると心に誓った。今でいう「推し」のような感情なのかもしれない。友人にも「推し」た。迷惑な話だ。
今はブラックも大好きになって、正直に言うと特に最近は、はっきりとした発色の「青」にも心奪われている。大人になるとはこういうことか。
この書き心地、献身的に支えてくれる武士のよう
昨今特に文房具の進化は著しく、どうだと言わんばかりのスルスル滑るような書き心地、インクの発色の良さ、オシャレなボディ、かわいいニュアンスカラーのペンが売り場に盛りだくさん。
どれも書きやすく、いいペンだなと思う。でもやっぱり「好き」といえるのはシグノの書き心地だけ。キャップ式で面倒でもファンが多いのはこの書き心地のファンも多いからだろう。
現在主流のスルスルーっと滑るような書き心地ではなく、シグノは少し硬めというかカリっとした引っかかりを感じる。だから書きやすい。滑り過ぎるペンは自分には書きにくいのだ。なんというか、滑りすぎる力を止める力が別に必要になってしまうような感じ。シグノは元々「止め」の力があるので、ちゃんと力を加減してくれる。グリップもあるので筆記を助けてくれているなと感じる。ひらがなや漢字、カタカナ、どれも余分な力を使わず美しく書ける。シグノで書いた自分の字は好きだ。
「どうです？すごい滑りでしょう？？」みたいな感じではなく、「本日もお支えいたします。」というような主君を支える縁の下の力持ちのような存在。その心意気（と勝手に自分で思っているだけ）はまるで武士のよう。
私がペンを使いたいと思う時は「字をきれいに書きたい」と思っている時だからこのように感じるのかもしれない。頭に浮かんだアイデアを次々と素早く紙にまとめたり、速記や計算をしたり、図形を書いたりする方はスルスル滑る書き心地の方が使い勝手はいいだろう。
イラストレーターの方もよく利用しているみたいだ。これは勝手な想像だけれど、この少し硬い感じがイラストにも向いているのではないかと思う。長時間ペンを走らせる方にとっては、するする走り過ぎるペンは逆に疲れてしまうのではないか。
発売後、しばらくすると極細シリーズがでたように記憶しており、0.38は今も大好きだ。とにかくちょうどいい。ちょうどいいものがカッコイイんだ。
変わらないデザイン
そして変わらないこのデザインも。
主流のほとんどのペンがノック式でもちろんシグノにもノック式がある。でも学生時代に売り場で見かけた時、この素敵なドット模様のグリップと透明キャップに同じ色のクリップがスっと伸びてきている組み合わせに拍手を送った。特にキャップはガラス細工みたいでめちゃくちゃ素敵だと思った。机の上にコロンと転がしておいてもかっこいいのだ。（同じぐらいの時期に「Hi-tec」などもあったような気がするけれど、Hi-tecは従来のボールペンのデザインを引き継いでいるような感じでポップに見えて当時の自分には刺さらなかった。）
ペンの先の部分も高級なステンレスキッチンツールみたいで削ぎ落されたデザインにうっとりしてしまうし、キャップ単体で見るとどこか有機的で尾の長い美しい小鳥が佇んでいるかのようだ。そのギャップがまたかっこいい。
自分の中ではノック式ペンよりもちょっと上、万年筆を使うような気分の良さだと思っている。キャップ式だからこそのかっこよさがある。それを変えないかっこよさも。
このペンが好きでよく使ってます、ぐらいの短い文章で終える予定で書き始めたらこんなにもこのペンを愛していたとは。文章を書く良さはこういうところにあるのかもしれない。「なぜ好きなのか」は掘り下げすぎると「好き」な気持ちを置いてけぼりにすることもあるけれど、たまにはこうやって「好き」を「思い出す」ぐらいはやってみてもいいのかもしれない。
楽しかった。
＜最近始めたブログです＞
愛用品やラジオのお話など、少しずつ書いて増やしていきたいです。
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