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経営センスの論理/楠木建/2013/★★★☆☆

楠木氏の「好き嫌い」シリーズの第一弾、2013年に出版。アナライズではなく、シンセンスを大事にしるべしという教えが、学者にしては的を得ている気がして他の経営系の学者と一線を課す。断片的なエピソードに分けれているが、彼の「好き」がちりばめられた、読みやすい一冊。

▼おすすめの方
・経営に興味のある方

▼印象的なコト
・ピータードラッカーの本を読めた経営にとって大切なことはたいてい書かれている。より意味のある問いかけは「そんな当たり前のことが、なぜ現実の経営の中ではきちんとできないのか」
・直接的にセンスを教えることはできなくても、センスが育つ環境や土壌を整えることはできる。センスがあるのが誰かを見極め、その人のある商売の単位をまるごと任せてみる。
・ではどうすればセンスは磨かれるのか、ありとあらゆる事象について自分の好き嫌いがはっきりしている。そして、その好き嫌いに忠実に行動する。ジョブスさんはその典型だろう。
・優れた経営者はなぜハンズオンなのか、理由は単純明快、自分の事業に対してオーナーシップがあるからに違いない。優れた経営者のハンズオンの背景には、それよりもずっと多くのハンズオフの領域があると考えて良い。
・成功している経営者に「どんな本を読んでいますか」と聞くと「経営戦略のフレームワーク」的な本を読んでいるのはそれほどいない。
・森を見て木を見ず、葉を見て木を見ず。利益の源泉は、①景気、②業界の競争構造、③戦略、である。各社の点の取り組みの「葉」を見て「木」を分かったようになるな。





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