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尾瀬のミニ観察~第7回~

 前回は、「ウメバチソウ」を紹介しましたが、今回は「ザゼンソウ」についてご紹介します。

(7)「ザゼンソウ」
(花期:5月上旬~6月上旬)

 ザゼンソウは、案内していただかないと発見できない地味な植物だが、ユニークな花の姿に人気がある。紫褐色の苞がまだとんがり帽子形でわずかに隙間ができたとき、中では雌しべが花粉を待つ状態になっている。気温が0度に近いときでも、その苞の中は、10度以上に保たれている。この温かさと、臭いでハエの仲間を誘い花粉を運ばせるのだという。たぶん晴れた日に、ハエの仲間が来るのだろと思うが、私にはまだ解けない謎のままだ。(写真は片品村で)

筆者紹介
田中 肇(たなか はじめ)
フラワーエコロジスト
専門は花生態学
著書は「花と昆虫がつくる自然」(保育社 尾瀬の花の生態を多く取上げた)、「花の顔」(山と渓谷社)ほか多数

(2009年11月「はるかな尾瀬」より抜粋)

次回は、「ワタスゲ」についてご紹介します!