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英語日記_20210828

フードテック革命 を読み終えた。

食の価値の再定義、すごく勉強になった。

世界のフードシステム市場価値について書かれている場面で、健康や環境、経済に関わる「隠れたコスト」の内訳に触れていて興味深かかった。

人間の健康に与える負のコストは、6兆6,000億ドル。

その内訳として目立つのが、肥満によるコストが2兆7,000億ドル。一方で低栄養でもたらされる健康被害は1兆8,000億ドル。

世界全体で見ると、飢餓ではなく、肥満が問題になっている「飽食の時代」という現代の特徴がある。

2050年には、世界人口は19年の77億人から急増、99億人になるという国際連合の予測がある。

すると、肉の消費量は当然増え、畜産が追いつかない。

地球上にいる家畜としての牛15億頭は、1日に1,700億リットルの水、600億トンの食料が必要となり、これだけの食料と水を生み出すには、広大な土地が必要になり、足りない。

そこで、代替プロテインに取り組むスタートアップが活躍していく。

「動物に頼らないプロテイン供給」をミッションとしている、インポッシブルフーズ の19年の環境報告(こういう企業姿勢も素晴らしい)によると、19年に販売開始したインポッシブルバーガー2.0は、1個あたりに換算して、一般的な食肉バーガーと比較すると水の利用料は87%削減、土地の利用面積は96%削減、温暖化ガスの排出量は89%削減を達成したとのこと。

あとは、進化し続けるキッチンOSの話、食のパーソナライゼーションについての話など、興味深い話が多く紹介されていた。

最後に食のパーソナライゼーションの考え方で面白いなと思った話を書くと、食のパーソナライゼーションのサービスを構築する上で重要なデータが3つあるという話。

① 調理に関する情報
調理実績(何を作ったか)、食材情報、評価情報

② ヒトに関する情報
心身の状態、体内の状態、好き嫌い・アレルギー

③ 食材に含まれている情報
栄養素・効果、流通経路、賞味期限、おいしさなどの可視化

究極の食のパーソナライゼーションは、この3つの情報が重なり、個人の"いろんな事情"に合わせて食事や調理方法、技の伝授などを提供していくこと、としている。

エモーショナルな部分も含む②はデータ化が難しいという話も含め、すべてがデータ化され、連携されていくことで、食が抱える多くのイシューが解決に向けて良い方向へ進み始めている。

当然、これらのフードテックの進化により食品のリテール、産業も大きく変わってくる。

普段、私自身はあまり食べることに対して関心が低いので、こういった話を読むことでグッと興味を持つことができた、良いきっかけを与えてくれる一冊だった。

環境報告書

environmental report