マガジンのカバー画像

ランダムウォーク小説

13
運営しているクリエイター

#未来創造

蝶!

蝶!

幼虫から蝶になるには

サナギになる

一度、液体になり

そして、形ができる

サナギになってから

10日目

羽化

羽が伸び

そして、飛び立つ

エリカは 少し離れた空間から

包まれ

そして、溶けて消えていく自分をみていた

何も感じない

意識ははっきりしている

溶けて流れ

形がなくなる

一度流れて行ったものが

再び、集まり

そして、形作られる

その過程は

アメーバの

もっとみる
暗黒!

暗黒!

それは、果てしなく広い暗黒エリカ は小さな一粒の物体

永遠につづく

途切れのない空間

体の芯はまだ暖かった

でも エリカは皮膚から冷たさを伝わるのを感じた

心地よい

心と体

脳と筋肉

光に触れられた瞬間

何ものにも言い換えようがない何かに満たされた

すべてが 無 と 万物 とをあわせ持った感覚

エリカ は目を開けるが何も見えない

いや、見えている

暗黒果てしなくつづく暗黒

もっとみる
コミュニケーション!

コミュニケーション!

白い霧の先に見える

暖かい光

光の波に乗って

声が聞こえてくる

『エリカ なぜこない

 ここがあなたの居場所だ
 
 さあ・・・・

 きなさい』

光に向かって歩き始める エリカ

『あなたは誰

 なぜ、私なの

 何んで、私の場所なの

 そこに行けば会える?』

といいながたゆっくりと歩き続ける エリカ

暖かい光に近づくにつれて

声は鮮明になった

『エリカ きなさい

 あ

もっとみる
え・・・・・・!

え・・・・・・!

なんか、包まれている

右手が動かん

『なんやこれ・・・』

と心でつぶやく エリカ

かすみが晴れて

目が見えるようになった

白い天井

そこに、ムクっとうっとうしい顔が現れる

「大丈夫ようやな・・・

すごかったらしいで

ちゅうまっとったて

スーパーマンみたいやったてと」

オヤジ・・・・視界から消えたかと思うと

ベットが心もち起き上がってきた

『ラクや・・・』

「どや、ちょ

もっとみる
ホホをうつ風!

ホホをうつ風!

ホホをうつ風を感じ

エリカ 

河川敷で、

クロスバイクを横にねそべって

青空を見つめていたはずが

すっかり寝込んでしまった

風に意識を現在に引き戻された

エリカ はムクっと起き上がり

目をこする

うすぐらくなり始めている

スマホを見ると何回もかかっていた

オヤジからだった

リコールする エリカ

「おい。どこにいるんや

 学校から帰ってこないから

 晩御飯の準備、オレが

もっとみる
ストーンヘンジ!

ストーンヘンジ!

エリカ は大学に戻りアースネットで再び検索を始めた

「アースネット。サルセン石 の情報検索。

 古い順に読み上げて」

しばらくすると、アースネットが検索結果を音声で報告を始めた

「エリカ 検索完了しました

 一番古い情報は、紀元前2000年に石板に記録があったという報告が

 1915年に調査報告があります。

 ロンドンの大英博物館に保存されていた石板の言語解析から

 サルセン石 の

もっとみる
サルセン石!

サルセン石!

ハワイの王国には、ワイアレアレ山の頂上付近で発見された

彫り物

が保管されている。

100cm程度の高さ

1778年。ここハワイを訪れた キャプテン・クックにより発見された。

山頂にあったものを海岸沿いの建物におろし、保管していた。

エリカ は、この岩石のような 彫り物 を調べ尽くしていた

今回、ようやくハワイ政府(ハワイはすでにアメリカから独立した国家となっていた)

の許可を得て

もっとみる
アナタは?

アナタは?

白い霧の中を漂う エリカ

体は中に浮き

横になっているのか

立っているのか

わからない

そう、無重力のような感じ・・・

うっすらと、暖かい光の点を見つける エリカ

引き寄せられる

す〜と

体が、もっていかれる感じ

歩いているのではないな(こりゃ・・)

と思いながら、光に近づく エリカ

だんだん、見えてくる

光のみまもと

そこには、暖かいひありを放つ

人の輪郭をした

もっとみる