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すごい夏至と、246号線で君の音が聴こえる場所へ

本日6月21日はすごいらしい。夏至と金環日食(日本では部分日食だけど)と新月がほぼ同時に起こる。夏至に起こる日食は372年ぶりなのだそうだ。ホロスコープ 的にも重要な一日となるようだが、細かいことはともかく、何か新しいことをはじめると大変よいそうだ。そしてリセットのタイミング。過去はどうであれ、いったん水に流し、新しい未来を作っていく。そんな星回り。

そういう佳き日なので、昨日は大宮八幡に参拝した。大宮八幡は、わたしにとって特別な場所だ。というのも、この神社には「小さいおじさん」なる妖精のようなのの目撃情報が多数ある。そんな都市伝説から着想を得て書いた小説が、デビュー作となった『小さいおじさん』(文庫では、『私たちの願いは、いつも。』と改題している)である。人生の大きな転機を作ってくれた大切な場所なので、節目節目でお参りしている。

ちなみにネットの情報をかき集めてみると「小さいおじさん」は、本殿の左側にあるご神木あたりで目撃されていることが多いようだ。残念ながら、わたしはまだ一度もお見かけしたことがない。

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(御神木、この周辺で小さいおじさんを見た情報あり)

話は変わって。数日前、駒沢大学駅に所用のため出かけた。駒沢大学駅の前には246号線という国道が通っている。246号線というのは西は静岡から東京の渋谷、青山という中心部に繋がっている幹線道路で、上には首都高が通っており、薄暗いうえにいつも渋滞気味なのだが、それも含めて、246号線は東京らしいと思う。246号線沿いを歩いていると、「東京に住んでいるんだな」としみじみと感じるのだ。生まれ育った大阪よりもずっと長く住んでいるのに、いまだにそう思うのだからおかしい。たぶん大学生の頃、よくこの道を歩いていたからなのだろう。駒沢大学駅で下りて、246号線を歩いて自由通りを曲がったら、その当時に一気に引き戻された。ああ、この道の景色! 何の変哲もない道なのに、ものすごく懐かしかった。するとiphonからタイムリーにもその頃よく聴いていたbirdの『君の音が聴こえる場所へ』が流れてきた。

大学生の頃、私は三宿に住んでいた女の子の家庭教師をしていた。いつも渋谷から三宿まで歩いてそのおうちを訪問し、2時間の授業を終えると、その頃住んでいた八雲まで歩いて帰るようにしていた。生徒だった女の子が中学1年から中学を卒業するまで教えたので、3年間歩き続けた道だった。三宿というのは、東急新玉川線の池尻大橋駅と三軒茶屋駅の間あたりで、私が住んでいた八雲は、東急東横線の都立大学駅が最寄りである。まったく近くはない。元気な大学生の足でも歩いて1時間以上かかった。よく歩いたものだ。よほど時間があったのだろう。自分のためだけに自分の時間が使えた頃だ。それがいかに価値のあることなのかもわからず、ありがたさも感じないで、ただただ自分の好きなように自分の時間を費やしていた。

懐かしい道も、よく見ると知らない店が増えていて、あったはずの店がなくなっていた。たしかに20年以上の歳月が流れているのに、『君の音が聴こえる場所へ』を聴く心持ちというのか、「あっ、この歌詞のこの言葉の組み合わせが変わってて好き」と思う自分は変わっていない。

80歳になっても、そんなものかもしれない。だって、いまだに中学生のまま変わっていない自分もいる。どんなに歳をとっても、その人の芯はさほど変わらないのだろう。そんな日々。

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(ご長寿猫、兼さんも元気です)

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