酔生夢死

わたしの美学はわたしのもの

酔生夢死

わたしの美学はわたしのもの

最近の記事

違ったこと

匂いは忘れられない、とよく言いますよね。 わたしもそう思っていました。だけど、違いました。 わたしの中でずっと忘れられないのは匂いでもない。 あの子の口癖です。無意識のうちに出ちゃって、 その度に、あぁ、と思い出してしまって。 あの子は元気かな、とか。 ちゃんと留学頑張れてるかな、とか。 ぐるぐるして、またあの頃を思い出してしまうんです。 今でもふと、泣きそうになります。 バスを一緒に待ったバス停とか、居酒屋とか。 今度ここ行こうねって約束した場所、とか。 この道を通るの嫌

    • 夏のキラキラ

      最近、少しずつ秋らしくなってそのうちすぐ冬になってしまうんだろうなって。少しだけ寂しい季節が来た。 わたしは夏が苦手だ。海とかプールとか、一般的に言う「夏らしい」があまり好きではない。嫌いかと聞かれたらそうではないけど。 夏の打ち上げ花火も苦手だな、打ち上げ花火の爆発音が、怖い。あの爆発音が怖いと感じてしまうわたしの感性を大事にしてあげたいと思った結果、そもそもの「夏」が苦手になった。 あの夏の海のキラキラってなんだろう、眩しすぎるせいなのかな。わたしには夏の海が綺麗に見

      • 弱い

        あ、また胸が痛くなった 息を吸うだけで胸が痛くなった それと同時に涙が滲んでくる いつからこんなにも弱くなったんだろう 強くなれるって、たくさん歌に励まされてきた その歌詞を見れば強くなれる気がして嬉しかった 気がした、ただそれだけのこと 息の仕方を忘れてしまうような いま目を閉じればどこかへ飛んでいけそうな なにを馬鹿なことを考えているのだろう 長かった夏が終わり秋の訪れだというのに

        • 正しい

          わたしは正しい。だけど、そのわたしの正しさは時に誰かを傷つけていた。それはきっと無意識で。わたしの正しさで傷つけてしまったように、わたしも誰かの正しさに傷つけられているだろう。正しさと正しさの間には悪しか生まれない。じゃあ平和ってなんだろう。きっと正しさを押し付け合う事じゃない。正しさの答え合わせをすることでも無い。かと言って相手の正しさを受け入れることでもない。ただ受け流すこと。受け入れなくていい。自分の正しさを信じてあげればいい。他人の正しさを律儀に受け取る必要なんてない

          願ってるからね

          毎朝、起き上がると見えるぬいぐるみ達。 ほんとんどはわたしが好きで集めたもの、買ったもの。 だけどその中でひとつだけ、貰い物がある。 1番端っこにいて、1番輝いてて、1番忘れたい子。 初めて2人で遊んだ日にわたしのためにってユーホーキャッチャーで取ってくれたよね。嬉しかったなぁ、あれ。帰り道、そのぬいぐるみを抱きしめてバスに乗ったんだよ。肌寒いバスの冷房でも、とってもとっても温かかったよ。でもね、それも全部、思わせぶりだったんだよね。引っかかっちゃった。わかってた、本当は全

          願ってるからね

          友達は海月

          わたしには友達と呼べるような人間が少ない。 それもわたしだけが友達だと思ってる可能性がある、そんな低レベルな友情。 そんなことより、わたしは最近、海月を育成するアプリを始めた。 餌をやったり、水槽の水を変えたりして海月を育てている。 とても可愛い。餌を追いかける姿は愛おしいまである。 だが、周りの人間は口を揃えて言う。 「あ〜、わたしもそれしてたけどすぐ死んだな」 海月ちゃん、わたしはそんな簡単にあんたを殺さないからね。安心して大きくなってね。 そしてその時、わたし

          あ、

          やめたくなった、苦しくなった 看護師なんて白衣の天使だと本気で思ってた だから、憧れた、 でもそれは美化されすぎたわたしの幻想 汚い仕事、汚い人間関係、 なにこれ、 実習中の楽しみは受け持ち患者さんとお話すること 人生の先輩は、小さな幸せと生き方を教えてくれる 看護師ってみんなが思ってるほどキラキラしてないよ なんなら汚いよ、とても ほんとに人?この人こころある?ってなるよ でも耐えなきゃね、 わたしの未来の受け持ち患者さんたちのために 待っててね、わたしも受け持

          キレちゃうんだからね

          わたしの世界はわたしが中心。 だからわたしの思い通りにいかないと怒るよ。 わたしの世界はわたしで出来てるの。 だからそれをぺしゃんこにしてくる奴は怒るよ。 言い換えれば、 きみの世界はきみが中心。 だからきみの思い通りにいかなかったら怒っていいよ。 きみの世界はきみで出来てるの。 だからそれをぺしゃんこにされたら怒っていいよ。

          キレちゃうんだからね

          いないよって言って

          初めて名前を呼んだ日。呼べた日、の方が正しいのかも。喜んで電話をかけてきてくれて、 「今から会いに行くね」 なんて言って、ほんとに飛んできた君。彼女いたね。 「○○ちゃん、磨いたらもっと綺麗になるよ、原石だよ」 そう言ってくれた君も、彼女いたね。 「○○ちゃんのこと、好きだと思う」 そう言ってくれた君も、彼女いるの?

          いないよって言って

          にゃん

          猫になりたい、猫になって寝たい。

          たぶん

          わたしは、母が嫌いだ。更年期障害を言い訳に、言葉でわたしを攻撃してくる。たぶん母も苦しいと思う。 わたしは、母が好きだ。毎日早起きして手作りのお弁当を作ってくれる。もう7年目になる。たぶん愛情、そう信じてる。 わたしは、死ぬ前に食べたいものはなにかと聞かれたら、母のオムライスと答える。母の作るオムライスは、どんな高級レストランよりも、高い焼肉屋さんよりも、美味しい。たぶん世界一美味しい。 わたしは、今日初めて、母に食べて欲しくてたい焼きを買った。家からは少し遠い、たい焼

          解放

          自殺志願者のAくんからの連絡が途絶えたのは、約1ヶ月前。彼が楽になれたのだろうと思ってた矢先に連絡が来た。 「通院してた」 彼はまだ檻に閉じ込められてて楽にはなれていなかった。彼はよくわたしに一緒に死んでよと言ってくることがあった。その度に曖昧な返事をし、流してきた。しかし連絡が来た時のわたしの精神状態はあるようでないみたいなものだった。 「今なら一緒に死ねるよ」 わたしはそう返した。しかし彼はそんな言葉を望んではいなかった。 「○○ちゃんはだめだよ」 彼のその甘

          羽のない天使

          わたしの母親はヒステリック毒親だと思っている。だが、他人から見た母親は「いいお母さん」だそうで。誰とわたしの母親を比べているのかは知らないけれど、「いいお母さん」らしくて。 わたしの母親は、わたしより弟を可愛がる。それはわかる。だってわたしの目からも弟は天使に見えている。自分がこの天使を産んだのだから、可愛がるのは当然のこと。だったらわたしはどう写っているのだろう。それはただの使用人。家政婦。そういったところだろう。意見を述べようものなら遮られ、そしてその重圧によりわたしの

          羽のない天使