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五行思想

【東洋では5つの元素が万物の源】
 古代中国では、『万物は木・火・土・金・水の5つの元素でできている』と考えられていた。
5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。(※wiki参照)

 西洋の四大元素と似ているが、そのルーツや内容は別物である。
5つの元素というのは、当時の中国では太陽系の惑星が5つ観測されていたことに由来している。
太陽から近い、水星、金星、火星、木星、土星の5つの惑星が肉眼で見えるため、その存在が確認されていた。
各惑星には五行の名前が与えられている。

 この五行は四季の変化や方角、色、占い、医療など、私達の様々な分野で用いられている。

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◆木:樹木の成長・発育する様子。
  「春」「東」「青色または緑色」「青龍」「喜」
◆火:火のような灼熱の性質。
  「夏」「南」「赤色」「朱雀」「怒」
◆土:万物を育成・保護する性質。
  「季節の変わり目」「中央」「黄色」「麒麟または黄龍」「哀」
◆金:金属のように冷徹・堅固・確実な性質。
  「秋」「西」「白色」「白虎」「楽」
◆水:命の泉胎内と霊性を兼ね備える性質。
  「冬」「北」「黒色」「玄武」「怨」

 五行の互いの関係には、「相生」「相剋」「比和」「相乗」「相侮」という性質が存在する。
ここでは、よく用いられる「相生」「相剋」について記述していく。

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◆相生(そうしょう):相手を生み出して行く、正(陽)の関係。
木生火(もくしょうか)
木と木はこすれあい火を生じる。
火生土(かしょうど)
物が燃えると灰と土を生じる。
土生金(どしょうきん)
鉱物・金属の多くは土の中にあり、土を掘ることによってその金属を得る。
金生水(きんしょうすい)
金属の表面には凝結により水滴(水)が生じる。
水生木(すいしょうもく)
木は水によって成長する。無ければ枯れてしまう。
◆相剋(そうこく):相手を滅ぼす、負(陰)の関係。
木剋土(もっこくど)
木の根が土から栄養分を吸い取って土地を痩せさせる。
土剋水(どこくすい)
土は水を濁す。また、土は水を吸い取り堤防や土塁等で水をせき止める。
水剋火(すいこくか)
水は火を消し止める。
火剋金(かこくきん)
火は金属を熔かす。
金剋木(きんこくもく)
金属製の斧や鋸は木を傷つけ、切り倒す。

 五行思想も四大元素と同じく、ファンタジーの世界で用いられている。
ただ、四大元素は「属性」として用いられるのに対し、五行思想は「春・夏・秋・冬」や「東・西・南・北」の概念で使われていることが多い。
中国の神話では、「東の青龍」「南の朱雀」「西の白虎」「北の玄武」の四神が存在し、これに「中央の麒麟or黄龍」を加えて五霊獣の形をとることもある。
また、この四神に季節を合わせ、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」という言葉も生まれている。
◆青春:誕生~25歳頃まで
◆朱夏:25歳頃~60歳頃まで
◆白秋:60歳頃~75歳頃まで
◆玄冬:75歳頃~

 五行は、陰陽説と合わさり、「陰陽五行説」とも呼ばれる。
過去の日本では、陰陽五行説をもとに占いを行う陰陽師がいた。
これはまたの機会に書くとしましょう。

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