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【風紋 69】のんべんたらりって言いたくなる語感

書きたいことはたくさん出てくるけどうまく時間を作れないせめぎ合いの中で、”3行日記”という魅惑のフォーマットに筆を預けていた数週間。制限された中でどんな言葉を置いておくか、1個だけでも気の利いたことを言ってやろうという趣向の異なる楽しみはあるのでこれはこれで続けていくのだけども、やっぱり、ダラダラと文章を書くのが好きだ。うまいことを言ってやりたい自分もいれば、ただ我がままに思いついた順番で言葉を繋げていくだけの筆動機関になりたい自分もいる。

今日はお洒落をしてダラダラすると決め込んだ。サービス業にそこそこ長く従事して固定の土日休みから距離を置いた生活をしていると、みんな大好き三連休への捉え方も全く異なってくる。三連休の中日なんて、てんでどこへも出掛けたくなんてない。だって混んでるんだもの。普段平日の空いている時間に土日は満席のカフェでゆっくり過ごしたり、昼間から湯船に浮かびながら悦に浸ることに慣れてしまった体は、人混みと待機列に胃もたれしてしまう。とはいえ、ごく自己満足的に3連休中日の休みを満喫するために、お気に入りの服を纏って信濃町でのんべんたらりと過ごすことを企てた。

胃の調子もようやく回復してきたので、力試しにハンバーガーを食べてやろうと細々した仕事を進めがてら結局LAMPへ行く。最近、正直仕事のことでかなり悩んでいたけど、メンバーと話す中で栄養満点視界良好的感覚を取り戻してきて、対話の効用をしみじみと血液に巡らせている。話すことは放つこと、溜めたものを放って、また取り込んでしっかり溜めて放つ。このエネルギーの循環をするために、やっぱり他者と関わることと真剣に向き合っていきたい。自分にとっては他者と関わることは難しくもあり、同じくらい面白いことでもあるから、いい塩梅で負荷のかかるチャレンジだと捉えられる。大きな背中で導いたり、広い心で背中を押したりできるタイプではないけど、隣を並走しながら一緒に考えて関わる人の潜在能力を底上げする魔導士とか僧侶的な働きをすることはできる。あとはつい昨日から、道化師に興味津々だ。よく言うピエロは、道化師(クラウン)の役名の一つで主に悲しみを表現するもので、クラウンは"滑稽な格好や言動などをして他人を楽しませる者の総称"のことであると。であるならば、自分はクラウンになりたい。全くもって自己犠牲的にではなく、むしろ自身が穏やかに過ごすために周りの悲劇も喜劇に変えるようなエネルギーの使い方をしていきたい。吉川クラウンを名乗るか積極的に検討中。

大脱輪から無事に抜け出して、LAMPでハンバーガーを食べた後はki-木-へ。本当にあの空間が大好きだ。店内で過ごす間の土砂降りが、無音の店内に一定のリズムでサラウンドに響き渡る原始的な音楽として皮膚に届くような感覚。変化を繰り返すオノマトペに鼓膜を預けると、一種の瞑想状態のようにもなれる。急須からルワンダの浅煎りを注いでいる十数秒の間、ひょっとしたら解脱していた。

久しぶりにとり大根を煮込む。よっしーが「ダラダラするときは、煮込むといいっすよ」と分かるようで分からないことを言っていたので、とりあえずやってみようと買い物カゴに鶏肉と大根を放り込んだ。とり大根を煮込んでいる間に、日記を書こうと思い立ち、今に至る。下準備をしている間に、AbemaでMy name isの「新しい学校のリーダーズ」「chelmico」の回をダラダラと見てその流れでとり大根をダラダラと煮込んだので、日記の3分の2くらいの段階でくったくたに煮込み終えてしまった。よっしーに言われたからダラダラ煮込んでしまったのか、本当に煮込むとダラダラしてしまうのか、どうでもいいことを考えて終えられる1日は多分結構いいっしょ。


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