【とても、個人的なこと 9】おばあちゃんがおらんくなった①

6/18 大好きなおばあちゃんが死んだ。

火入れのために6:00前に目が覚めた。スマホを見るとお母さんから着信が2件。3:24と5:09。たまに酔っ払って夜中に電話がかかってくることはあったけど、2回もかかってくることはない。嫌な予感がする前に、反射で電話を掛け直してた。泣きじゃくっているお母さんが出た。

「おばあちゃん死んじゃった」
「お母さんが3時過ぎに帰ったら、いつもは起きてくるのに起きてこんかった」
「帰ったよって声をかけても、返事がなかった」
「触ったら冷たくなっとったから、すぐに救急車を呼んだ」
「触らんと気づかんくらい、寝とるような顔だった」
「もっと早く帰ってあげれとったら、間に合ったんかな」
「今は友達が一緒におってくれとる」
「ゆうとも帰って来れたら来て欲しいけど、仕事もあるだろうけ無理せんで。無理させるのが1番おばあちゃん嫌いだけ」

こんなようなことをお母さんは言っていた。

体が、冷えた。

「そばにおってあげれんかった」
「会いたい」
「おばあちゃん死んじゃったな」
「お母さんのせいじゃない」
「仕事は相談してみる」

追いつかない頭と溢れ出す感情の中、泣きじゃくりながらそんなことを言っていたと思う。

電話を切って、どうするか一瞬考えてみたけど、どう考えても「行かないといけない」でしかなかった。
家族の状況的に、お母さん1人で段取りをして見送りをしないといけない可能性が高いのもあったし、何より、行かないと絶対に後悔する。

数日間シフトが空いても大丈夫か、そもそも今日の火入れは大丈夫か、冷静に頭を働かせて確認した。どうにかいろんな人に無理を言って調整をすれば、ギリギリ回りそう。

すぐに電車では迎えなかったし、迷惑をかけてしまうからLINEで伝えるよりも直接メンバーに言えた方が良かったし、何よりも野尻湖を眺めたかったから、火入れの時間を目掛けてLAMPに向かった。

少し早めに着いて野尻湖を眺めた。こんな日に限って、こんな日だったからこそ、とても美しい凪だった。少しだけ救われた気がした。

6:55くらいに、火入れのために上長のサラマンダー小野が出勤。開口一番に「体調悪い?」と声をかけてくれたので、今朝おばあちゃんが死んだから鳥取に帰りたい旨を伝えた。「現場は何とでもなるから」と了承してくれ、でかい体で抱きしめてくれたので不意に少しだけ泣いてしまった。


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