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荊棘

あなたが放った一言が、 まるで針を指に刺してしまった時のようにチクッと私の胸を刺す。

 何故そんな気持ちになったのか、はじめは自分でも理解出来なくて、なんでどうしてを繰り返せば繰り返すほど、その痛みは荊棘のようにスクスクと育って私の心に絡みつく。 

心を覆い尽くした荊棘は、それでもぐんぐん伸びて、今度は私の喉や、腕や、足に絡みつく。 全身を締め上げられて、息ができない、足が動かない、前が見えない。 苦しい、辛い、もうやめたい。 こんなに苦しいのは誰のせい?

 あなたのせいではない事を、私は1番わかっている。
解決策はとっくにわかっているのに、一歩踏み出せない自分が一番の加害者なんだ。
この身体に幾重にも絡み付いた荊棘を全て燃やしてしまえたら良いのに。 

私の心も、体も、塵ひとつ残さず、全て燃えてしまえば楽になるのに。 



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