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七つの書簡

【往復書簡#7】
一番最初に書けなくなるの私だろうなと思っていたので、続けられてちょっと安心しています。でも昨日は二日酔いもとい胃もたれ(日付変わるまで呑んで食べ続けてしまった)でぐったりしてしまったので遅くなりました。年だな。でもカッサータが美味しかった。


ゆかこも絵を描くの続けているみたいだし、私も今日はイラストについて書いてみようかな。後半簡単なメイキングもつけてみたよ。※20200710諸事情により削除しました


先に私と絵の話をします。長いので飛ばしてもOK。

私には6つ年の離れた姉がいて、姉の影響で小学校低学年の頃からずっと絵には触れていた。
ゲームもアニメも漫画も好きで、自分でもキャラクターを考えたり、漫画を作ったり。所詮真似っこなので内容は稚拙だけど、当時は【描くこと】がただひたすら日常であったのです。
周りに比べる相手もいなかったので、『わたしは絵がうまい』という謎の自信と共に黒歴史を生み続けていた。

中学時代にているず作品に出会ってからはファンアート、所謂二次のイラストを描くように。一緒に描いてくれる友達がいたっていうのも、盛り上がれた理由のひとつかなと思います。

で、高校3年の頃かな、AYAちゃんにブログの作り方を教わってインターネットの世界に足を踏み入れた訳なんだけど、ブログ巡りをしている最中大好きなているずのリンクを見つけてね、飛んでいった先で出会ったサイトが私の人生を変えました。

絵がうまい。だけじゃなくて、考察記事とかが本当に面白くて、個人の思考嗜好から生まれる作品、いわゆる【二次の創作】っていうものがあることを知った瞬間、自分も『落書きじゃなく、ストーリー性のある絵を描きたい』と思うようになった。
受験だってのにそのサイトに入り浸り、そこの絵板(絵を描いて交流する掲示板)で絵を描いたり。あれね、制作時間が表示されるんだけど、うまい人は短時間でさらっとかきあげるんですよ。私はマウスでちまちま、最初はレイヤー(絵を重ねられるシートみたいなもの)がなんなのかも理解せず、ただ描きたい気持ちだけで描いたので低クオリティのわりに時間がかかって。
『時間かけたのに下手でごめんなさい』と運営主に書き込んだら、『絵は早く描けばいいってもんでもないですよ』と言ってもらえて、どう見ても下っ手クソなのに『ここが好き』っていうのまで伝えてくれて、心底嬉しかったことを覚えている。
それからはもう、その人は神に等しい存在となった。思考に技術に近づきたくて、奨学金でこっそりペンタブを買い、水彩色鉛筆を買い、独学でホームページを開設し,イラストメイキングをあさり、絵を描き、同じゲームを何周もした。

サイトを通してたくさんの出会いがあって、オフ会をしたり、アンソロに声をかけてもらって初めて原稿用紙で漫画を描いたり、なんだか夢のような時間でした。時間があればひたすら描きまくっていた気がする。講義中も。サークルも美術という名のOTAサーだったし、そこにもめちゃめちゃ絵がうまい子がうじゃうじゃいて、とにかく描いたし、描くことが楽しくて仕方がなかった。そんな学生時代。勉強しろよ。


でもそれから、いつだったか…描いていた絵のテーマがその神絵師とがっつり被ってしまったことがあって。もちろん構図も技術も全然足下にも及ばないんだけど、描き始めた頃なら単に『すごい!!』で済んだはずのものが、にわかに目が肥えたおかげで『こういうのが描きたかった、でも自分は描けなかった』っていう気持ちになってしまった。少しは絵がうまくなったという自負があった分、格の違いを思い知らされたというか。自分の絵はてんで低レベルなんだ!と実感。絵を描くことは心底難しいと思った瞬間であった。気付くの遅いわ。

それからは何度も【描くの楽しくない時期】にぶち当たりました。なんなら今もぶち当たっている最中です。
唯一の救いだったのは、同じ職場に創作活動に意欲的な同僚が複数人いたことでしょうか。平日だろうと突発的に集まっては居酒屋の閉店時間まで語らい、そのお陰で創作から離れることなく続けられていた。

そして数年前に気が狂ったようにどハマりした作品で気が狂ったように鉛筆漫画を描きまくり、人生初の薄い本(50ページ)を出しました。SNS交流が盛んになって、周りがそういう人達ばかりだったので憧れてはいたけど、自分にできるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりです。愛と勢いって大事なんだなと思いました。

イベント会場で頒布をしていて、見ず知らずの方から『こういう作品を待っていました!』と言われたことは今でも励みになっています。それまでの苦悩が報われた気がしました。
と同時に、最初の本がなまじ高い評価だったのでその後のプレッシャーにも(笑)描きたいものはありますがもう描ける気はしない。でもいつかは描けるかもしれない。ので気長にやります。

小さい頃からずっと描き続けているならもっと上手く描けてもいいもんですが、私は努力を継続できないやつなので、描きたい時にしか描かないんですよね。練習とかあんまり好きじゃない。描いてきたとは言え人体の構造とか全然わかってないし。
勉強しなきゃ上達しないと思いつつ、本買って満足して終わる。そうなるとよほど天才的なセンスでもない限りそこ止まり。満足できればいいけど、それもできず。だから最終的に楽しく描くには努力がいる。

でも、ずっと頑張って描き続けてないとダメなのかと言ったらそんなことは無いんですよたぶん。描く理由なんて【なんか描きたい】で充分だし、なんかそれっぽく描ければいいんじゃないかなと思っています。いや、目指すところは人それぞれだろうけど、私にとっての【楽しい】はきっとそのへん。

長くてすまん!
ゆかこどーぞ!


したらな!