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夫がうつ病で無職になった話 ③


その日の仕事は、あちこちミスがあるのでは無いかと
気が気じゃなく全く手につかなかったそうだ。

結局その日は半日で職場を後にしたらしい。

次の日、朝
私は夫がいつもと違うような気がして
「どうしたの?」と聞いてみる。

夫は、ただひたすら涙をこぼして一点を見つめていた。


そんな中でも私は何故か冷静で、
「仕事休むの?休むなら連絡しないと」と伝えたが
職場の連絡先を開いた夫の手は震え、
そこから先へ指が動かず、電話も掛けられない状態だった。

私がその瞬間に頭の中に浮かんだのは「うつ病」の文字

夫に替わり、職場に連絡をし
3日ほど休みをくださいと伝える。
それこそ職場先の人は驚いたような反応だったが
私は、なにより夫のことが心配だった。

なぜ頭の中で瞬時に「うつ病」の文字が出てきたかというと
私自身、20歳を過ぎたあたりの頃
とあるサービス業をしていた。

その中でお客さんから暴言を吐かれたり、
御局様にいびられたりして、
それに対して上司に相談したが見て見ぬふり。

なぜ仕事をしているだけなのに見ず知らずの人から
暴言を吐かれなければいけないのかと心が疲弊していた。

仕事が休みの日もソファから晴れた空をぼーっと眺め、
1日が過ぎていくような日々だった。

これはもしや…?と思い、自らクリニックを受診。

診断名は「うつ病」

その時、自分が「うつ病」ということにショックを受けた。
簡単に決めつけないで欲しいと思っていた。
私は転職を決めてその職場から去ることを決めた。

受診はその1度だけ。
薬は処方されたが飲んだら負けだと何故か思っていた。
(変なやつですいません。)

でも、そんな過去もあったので夫のそのような姿を
自分と重ねて「うつ病」って判断がすぐに出来た。


私は、夫に伝えた。
「あなたは、うつ病だと思う。」


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