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鎌倉の峰本と、峯元。

T弘・A弘。父さんと母さんの

同じ日に亡くなった父さんたちの、

9回めの命日を迎えた週末。


朝からT弘さんの墓参り、藤沢へ。

ちょうどお昼どき

父さん母さんそれぞれの父との思い出深い

鎌倉へ立ち寄ることにしました。


由比ヶ浜の駐車場に車を停め、江ノ電。

由比ヶ浜は、かつて、

母さんの父A弘さんの

会社の保養所があった場所です。


小学生の頃に、

A弘さんと母さんの母が離婚して

親権の裁判で負けたA弘さん。

「外で会うお父さん」になってからは

年頃の娘と父のデートは

日帰りなら、有楽町か上野か渋谷で

映画・ランチ・買い物、またはバスツアー。

泊まりなら、保養所かパッケージツアー。


当時は箱根や熱海にも保養所がありましたが

なかでも由比ヶ浜の保養所は

1時間半程度で行ける距離でアクセスがよく

何度も泊まりに来た場所です。


10時くらいに鎌倉か北鎌倉に着いて散策。

円覚寺、東慶寺、佐助稲荷、銭洗弁天など

散策してから、小町通りと鎌倉八幡宮。

宿で食べるお菓子や果物を買ってもらって

江ノ電に乗り、由比ヶ浜の保養所へ。

荷物を預けたら江ノ島に行き、

エスカー乗って展望台まで。

翌日は、横浜中華街でランチして

お土産買って帰る。、が定番でした。


鎌倉八幡宮、懐かしの売店。

なんと、、

おっとっと、たべっ子どうぶつ、

プリッツ、コアラのマーチに

かっぱえびせん。この顔ぶれはまさに

当時A弘さんに買ってもらった

「あとで食べるお菓子」のラインナップ。

思わず隣にいる父さんに「買って」って

言いたくなりましたが、

食べたいわけではないので

大人に戻ってやめておきました。

大人に戻った母さんは、父さんには

小町通りでピアス買ってもらいました。

かわゆい


そしてお昼。

父さん母さんが小町通りでランチといえば

なかむら庵になるのですが

A弘さんの思い出と歩く小町通り。

今日はあえて、ずっとあるのに

なぜか一度も行ったことのない「峰本」に。

紫蘇、みょうが、しょうが、わさび、ネギ

薬味のオールスターズと揚げなす。

この上なく母さん好みで、美味しかった


八幡宮の目の前にあるこのお店に

A弘さんは、そして

大人になってからも母さんは

なぜ一度も行かなかったんだっけと

深く考えたことのないことを

深く考えてみた結果、


うっかり通りすぎてしまうような

ひっそりとした場所に、

ひっそりと佇むような、

鎌倉に求める鎌倉っぽさというか

観光客だけど観光客向けっぽくないお店が

よかったんだろうなということと


旧姓・峯元の峰本への対抗意識。

峯元でありながら峰本に食べさせて

もらうことへの抵抗感。

潜在意識のなかにそんな感情も

0といわずにあったのではないか。

あったら面白いなと、

旧姓・峯元は考えたのでした。


母さんの母、旧姓・Kさんは手続きをして

姓は母の旧姓・Kに戻さずに、そのまま

A弘さんと同じ「峯元」と

名乗ることを選んだのでした。


その十数年後に結婚した母さんの姓は

偶然にも母さんの母の旧姓と同じKに。

おまけに、母さんの姉の姓は

母さんの母の母の旧姓に変わるという、、

娘ふたりが嫁ぎ出て、

A弘さんも亡き今となっては、

母さんの母だけが「峯元」です。


現・峯元である母は、子どもの頃に

父(母さんのじいさん)を亡くしています。

朝目覚めてあくびして、

そのまま倒れて亡くなったそうです。


父がいなかった母は、離婚後、娘たちに

父を大事にするように言い聞かせて育て

結婚式には「峯元」の両親として並び

A弘さんの葬式の手配をして見送り、

家の片付けや処分までやりました。


今も春秋とお彼岸は文京区のお墓まで

墓参りに通う母さんの母は

素敵な女だと思います。

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