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プロとしてのフレンドリーさ

仕事とは働くとは?


一見、誰でも考えるような問いだけど、宿題やった?的なノリで気軽に誰にでも聞けるような問いじゃない気がするのはなぜなんだろう。


もしあなたがが聞かれたら、どう答えますか?
私なら、玄関先で話す用の答えと、客間に案内してソファに腰を下ろしてじっくり話す用の答えを用意するだろうな。

それは、まるで信仰の話みたい。
聞く方も答える方も、宗教の話をするときのように、お互いに敬意と信頼関係が必要な問いだ。



先日、友人の付き合いで金券ショップに行く機会があった。
暇だったので、ぶらぶらとショーケースを眺めていると、カラフルな記念切手や束になった株主優待券に混じって昔の紙幣や硬貨が並んでいた。
見たことある紙幣もあるが、偉人らしき誰だかわからない人が描かれた紙幣もあった。


紙幣。


さっき、紙幣って言ったよね。
本当に紙幣なのかな?

見たことない紙幣を、なぜ紙幣だと言いきれるのか?と疑問が湧いた。
福沢諭吉や夏目漱石と並んで売られているから紙幣?
それだけ?
なぜ、子ども銀行のお金券や、新京極のお土産売り場で売ってる縁起物じゃない本当の紙幣だって言い切れるのだろうか?


なぜかもっともらしく、信憑性が高い雰囲気がする。
まるで御神体。
そうか、これらはかつての御神体だなと思った。

資本主義の現代では、御神体は、紙幣や硬貨。
これに価値があると信じる人たちがたくさんいるから、お金がお金でいられる。
当然、この信仰は、私たちが生まれる前から水や空気のように、この世の隅々まで行き渡っている。
古い紙幣を眺めながら、当時の人たちがこの紙を巡って喜んだり、泣いたりしていた姿を想像すると、うっすら古い魔術の秘密道具のような怖ささえ感じてきた。
資本主義以前や資本主義以後の世界を想像するのはとても困難だ。


仕事はお金を得る手段、に異論はない。


私の思う英語を習う一番の効能は、日本の外側にいる人たちが醸し出す空気に触れることができることだ。
英語が上達すれば、もっと具体的な事象、込み入った理由もわかるんだろうけれど、英会話初心者の私でさえ外国の方と話すと、あぁ異国の人なんだなと折に触れて感じることができる。

私は、オンライン英会話で毎日外国の方と話している。
20人くらいの先生を登録しており、気に入った5、6人に代わる代わる教えていただいている。

中でも、良いなと思うリピートしたいなと思う先生は、必ずフレンドリーだ。
へへ〜っ!ご主人様〜って遜ってこないし、日本人はお金持ちで良いですねって羨んでもこない。
何気なく発した単語や文法を逃さずキッチリ指摘してくれるけれど、一度敬意を持って質問すれば、あたたかな親しみを抱いた表情で答えてくれる。



プロとしてのフレンドリーさ



この距離感、この節度、この温度感がプロ。
知識と技術とウォームハート。
世界中の人みんなお金を信仰している。
しかし、本当のお金の姿はみんなの想像の中にしかいない。








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