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光の物語

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中近世ヨーロッパの架空の国が舞台。隣国リーヴェニアから嫁いできた王女・アルメリーアと、王子ディアルの物語。政略結婚の相手として出会った二人は、互いの立場を自覚しつつも芽生えた恋を…
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2024年7月の記事一覧

小説「光の物語」第122話 〜王都 8 〜

「ブルゲンフェルトの姉に手紙を送ってみたけれど、まだ返事は来ないようね・・・」 自室で侍…

おやつ庵
3か月前
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小説「光の物語」第121話 〜王都 7 〜

夜会の翌日、ナターリエは修道院の居間でテレーザと話し込んでいた。 前日にマティアスから言…

おやつ庵
4か月前

小説「光の物語」第120話 〜王都 6 〜 

ディアルはダンスフロアの中央をゆっくりと横切り、ナターリエと踊る若者の肩を軽く叩いた。 …

おやつ庵
4か月前
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小説「光の物語」第119話 〜王都 5 〜

「彼女をどう思います?」 ダンスの開始と共に人々はなんとなく散り散りになり、マティアスは…

おやつ庵
4か月前
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小説「光の物語」第118話 〜王都 4 〜

その夜は夜会が開かれ、宴のはじめにはマティアスの功績を讃える場が設けられた。 マティアス…

おやつ庵
4か月前

小説「光の物語」第117話 〜王都 3 〜

「マティアス様・・・」 久しぶりに会うナターリエは、マティアスの記憶にあった目立たない少…

おやつ庵
4か月前
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小説「光の物語」第116話 〜王都 2 〜

「流行病の対応、実によくやってくれた、マティアス」 「陛下からのお褒めのお言葉、光栄の至りです」 国王の執務室で言葉をかけられたマティアスは恭しく頭を下げた。 マティアスは数ヶ月ぶりに王都に参上していた。 流行病の対策の褒賞に加え、隣国ブルゲンフェルトに嫁いだ国王の姪・ミーネの亡命計画についても話し合いたいと、国王から直々の呼び出しを受けたためだ。 しばらくぶりのマティアスの姿に国王もディアルも喜んでいる。 「おまえがシエーヌにいたおかげでかの地の犠牲者は桁違いに少なかっ