小説「光の物語」第116話 〜王都 2 〜
「流行病の対応、実によくやってくれた、マティアス」
「陛下からのお褒めのお言葉、光栄の至りです」
国王の執務室で言葉をかけられたマティアスは恭しく頭を下げた。
マティアスは数ヶ月ぶりに王都に参上していた。
流行病の対策の褒賞に加え、隣国ブルゲンフェルトに嫁いだ国王の姪・ミーネの亡命計画についても話し合いたいと、国王から直々の呼び出しを受けたためだ。
しばらくぶりのマティアスの姿に国王もディアルも喜んでいる。
「おまえがシエーヌにいたおかげでかの地の犠牲者は桁違いに少なかっ