小説「光の物語」第27話 〜降誕祭 4〜
貴婦人たちが笑いさざめくサロンに戻る。
アルメリーアは奥のソファにかけており、その横には見習いのパトリック少年がちんまり座り、何かを書いていた。
ディアルとマティアスの姿を認めたアルメリーアは微笑み、パトリックは立ち上がって主人を迎える。
「私のいぬ間に妃殿下に接近か?」
ディアルが笑ってからかった。
「パトリックはお母様にお手紙を書いていますの。すこし字を教えていましたのよ」
パトリックは読むのはできるが、書く方はまだおぼつかないところがあった。
「それはいいね。パトリ