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初対面の男子と上海のホテルに一晩閉じ込められた話

※リハビリ1本目
※この記事はドラマ「大奥シーズン2」の個人的な応援記事です。そのため変わったノリの文章になっています。


📱久しぶり~
元気だったー?そっかー 私?最近もう肌のハリがやばい。

あ、そういえばさ、その日偶然国際線で隣に座った、初対面の男子と、行くはずじゃなかった国の、予約してなかったホテルの部屋にふたりで閉じ込められた話。
前、したじゃない?それでさー…

え?してなかった?そうだっけ? じゃあ話す? わかった最初から話すね~

DAY1

その時は6月だったんだよね。フィンランドに住んで4年目くらい。今より飛行機チケットは安かったから、年に1-2回は日本に帰っていて。でもシーズン価格ってやっぱりあって、学生でお金ないしちょっと飛行機代ケチったんだよね。7時間くらいで成田に着く直行便じゃなくて、ドイツのフランクフルトで1回飛行機を乗り換えるのを買ったの。全部で13時間かかるやつだったけど、まあそれくらいいいかなって。

でも結局、埼玉の実家に帰るまで実質2日かかったんだよ。2泊したの。時差があるから日付的には3日進んでたよね。ロシア挟んだら隣の国なのにさ。そんなことある?ないよね~。


何があったかっていうと、乗り換えトラブル。ヘルシンキ⇒フランクフルトの飛行機が遅れたらしいのね、で、フランクフルトから成田に飛ぶ飛行機の出発時刻に間に合わなくて、「今からみなさんを数人ずつ、別の経路で日本へ行ける飛行機に振り分けます」って拡声器みたいなのでいうの。航空会社のゴツめのおねえさんが無表情で。日本行きなので乗りそびれた乗客の半分以上は日本人で、みんな「ええ…」って不安顔。今から思うとちょっとデスゲームみたいだよね。


でもまあ、私は、しょうがないよねって。替わりの手段を用意してくれるなら、私は文句はないから。急ぎでもないし。で、大人しく待機してたら、私とあともうひとり、10歳年下、20代後半くらいの日本人の男子が名前を呼ばれてね。搭乗口を示されて、あなたたちはこのルートで成田に向かってくださいっていうの。

  • フランクフルト⇒上海⇒成田


えー初上海がアクシデントの乗り換えか~と少しワクワクしながら、ほぼ満席の上海行きに私たちふたりだけ、詰め込まれたわけ。機内はほぼほぼ中国の方。なんでわかるかっていうと、だいたいの人が大声でしゃべってめっちゃおやつ食べてる。すごい元気。景気を失った日本人にはもうないエネルギー。で、窓側3列、中央4列の機体の、中心のところに私らふたりで隙間パズルみたいにギュッと座らせられて。

窓|■■■ ■■■■ ■■■|窓
 |■■■ ■□□■ ■■■|
 |■■■ ■■■■ ■■■|
□⇒私ら
■中国人乗客

わかる?これが囲碁かオセロだったら問答無用でエイッな感じ。かろうじて隣同士に座れたけど、男子は、最初っからもうすっごい不安顔なわけ。呼びにくいから、仮に男子の名前をマサトとするね。人見知りで、すごい繊細な感じの子。フィンランドの某大学で研究している理系の研究者さんで、フィンランド人の奥さんと結婚したばかりらしい。

マサトはもう、最初っから、「なんでこんなことなってんですかね…」「マジで…なんでボクこんなとこいるんですかね…」「まわり何言ってるか全然わかんない…こわい…」って背を丸めながらうわごとみたいに言ってる。まだ乗って30分経ってないのに。

フランクフルトから上海って11時間くらいかかるのね、私はまあちょっと、悪い癖かもしれないけどトラブルを楽しむところがあって、心に余裕はあったので、まあ年の功で、この子をひとつ、元気づけてあげようとか思っちゃって。放っておいてもよかったんだけど、隣の人が死に顔だと私も気持ちよく過ごせないし、丸顔と美声を活かして、いい人ふうで執拗に話しかけたよね。そしたらマサトもだんだん心を開いてきて、母国語で話せるという安心感もあってか、いろんなことを話してくれたわけ。主に、

  • フィンランド人の奥さんの話(どれだけかわいいか)

  • 飼っているイグアナの話(どれだけかわいいか)

  • 自分の研究の話(内容は忘れた)


奥さんとイグアナの写真もいっぱいみせてくれて。どっちも可愛かったし、私、すごくイグアナに詳しくなっていった。彼のイグアナに。寝る時に布団に潜り込んでくるから寂しがり屋だし、爬虫類が心がないなんて嘘だとか、知性が高いとか、体表の色が変わるバリエーションはどんなとか。イグアナよく知らなかったけどけっこう親近感わいちゃった。

うんうんって話しながら2時間くらい。で、椅子に深く座ってたから気づかなかったんだけど、ふと上体を前に傾けた瞬間マサトのほう見たら、マサトの向こう隣の人。

■マ私■

70過ぎくらい?のおじいさんなんだけど、なんか、素振り?してるのね。卓球の素振り。私にはわかった、卓球部だったから。「あ、ペンハンドじゃん」って。しかも、手先だけ動かすんじゃなくて、ちゃんと腰からヒネリがいってるの。一定のリズムで、腰から指先まできれいなラインを描きながら、シュッ、シュッと。あーこれ本気の人だ。

私「……(隣)もしかして、ずっとしてた?(素振り)」
マ「……ずっとしてました」(力なく)
私「私が中学の頃卓球部で、市内ダブルス4位くらいは強いのがバレたかな?私国際的に挑戦されてる?」
マ「知りませんよ」(冗談はうけつけないタイプ)


まあ、あんまり見たことのないタイプの隣人だけれども、すごい卓球好きなんだなーと思って、私は気にしないことにしたよね。でもマサトはかわいそうで、隣でずっとフンフンしてるし。なんなら時々腕がかするらしい。予想外のふるまいに恐怖を感じ、卓球の人に接するのが嫌で、トイレ行くときに私をまたぐ方向の通路に抜けてた。「なんでだよ…なんでここでやるんだよ…家でやれよ…」とかつぶやきながら。限界マサト。トイレ近いマサト。

でまあ、「なんか眠るのもシャクで嫌、って言うか隣の人が気になって眠れない」というマサトにつきあって、計11時間?私もなんか眼が冴えて、ずっと色々な話した。そこはあまり長いとは思わなかったな、マサトはたまに死にそうな顔していたから、そうではなかったみたいだけど。まだ着かな~い、ま~だ着かない…この飛行機遅くないですか~って何度も番町皿屋敷みたいに言ってた。

おじいさんはフォア(前)・バック(後ろ)・フォア・バックと攻撃法を自在に変えながら、結局最後までペンハンドのエアラケットを振り続けてた。すごい元気。エナジー的な意味では勝てないと思ったよ、この国の人には。


まあ、それくらいなら、「まあ面白い体験だったよね」で済んだわけ。たまにある乗り換えトラブルの範ちゅうみたいな。え?何言ってるの、ここからだよ?


左がシェイクハンドタイプ、右がペンハンドタイプ


DAY2

上海空港に着いたらね、なんかこう…乗り換え待ちの様子がおかしいわけ。人がせき止められて、空港職員の人がなんか言ってる。飛行機飛ばないってヤンヤヤンヤ言ってる。前日の大雨か嵐かなんかの影響で、フライトできないらしいのね。嵐は過ぎている感じなので、えっ本当に飛ばないの?って納得いかなかったけど、あらゆる飛行機飛びませんって。全便欠航。もう少しなのに。飛びさえしてくれたら、2.5hで成田なのに。

え、どうするの…?と思ったら、「今からみなさんを、近くの空いているホテルに振り分けまーす」「全員がひとつのところは無理なので、部屋があるのがわかり次第、どんどん送っていきまーす」って職員の人。えー?ホテル?今からホテルに連れていかれるの?と思いながら、振り分け先が決まるのを結構待った。

この先が不安で当然ここでも眠れなくて、2時間後くらいにまた「あなたたちこっち!このバスに乗って!」と雑に振り分けられた。短期間のうちでこんなに人に振り分けられることある?鑑別師の手にかかったヒヨコかな。

ヒヨコの雌雄鑑別師


この時、我々のパスポート没収済み。滞在許可も当然ないし、下手にどこにも行かないように、中国でパスポート取り上げられて、バスに詰め込まれて、上海の街をガタガタ走ってる。私たち、飛行機に乗ってただけなのに。風景がなんていうか、なつかしい、とてもレトロな感じ。ていうか、気温があったかい。北欧から来たから余計、なまあたたかい。非日常にもほどがある、脳がバグっている感じがする。

さすがの私も寝ていないぼんやりした頭で「あれ…?この光景は… 夢…?」となって、隣席のマサトを観たら、身体に能面乗せましたみたいな無機質さで、外の景色を見てはいても彼の目は何も映してなかった。さすがにわかるー。

ちなみにね、本来そのまま飛行機乗り換え予定だったから、ヘルシンキで預けた荷物は預けたきり、手元にはスーツケース何もなし、ただ飛行機に乗っていたままの軽装と貴重品の手荷物で初シャンハイ。とうぜん現地通貨も持ってない。それで中国の見知らぬ街。やばいでしょ。

そうこうして、バスは1時間弱走って、ちょっと古めのホテルに着いたのね、外壁がピンクだったのはびっくりしたけど、ピンクがセクシーの象徴になってるのって日本独特だからね。待ってあわてないで。


成田行きに限らず、あらゆる便の欠航により集められた国内・国際線の乗客約30人、とくにHPが尽きかけながらホテルのロビーで所在なげに立つ我々2人のヒヨコは、また次の「振り分け」にあうのよ。繰り返すけど、もう18時間くらい、この落ち着けない状況。

ヘルシンキ発はだいたい夕方発なので、朝からの活動時間を考えると、もう25時間以上連続稼働ストレス下で。フランクフルトからずっと我々多文化異文化の中で、なぜかほかの日本人にも会ってません。みんなどこに振り分けられたの。他のみんなはもう成田とっくに着いてるよね?異世界に迷い込んだのかな…?

ホテルに連れてこられたけどしばし放置されて、どうなるの?ざわざわしてると、航空会社の人が叫んだよね。


「みなさんを連れてきたけど、部屋はひとり一部屋ありません!2人以上で使って!ペア作ったら鍵取りに来て!」


そんならなぜ連れてきた~!って思ったよね。部屋があるから連れてきたんやろがい!正直もうヘトヘトなんだ。マサトにつきあって寝てないんだ。え?いいの?中国の人おおらかすぎない?2人以上なら、知り合いでもない人同士でも平気で同じ部屋に押し込むの?体育でペア作って~のノリで?いや、これがふつうのことなのか?私が考えすぎか?列車でボックス席に一緒に座るような感覚?そうかー、いやえ、ほんとに?

考えようにも頭がまとまらず、もう限界。色々ありすぎたよね。いまの状況と今後どうなるかがわからないまま、ただ空港やロビーで数時間待つのも、スッゴイ疲れるのよ、乗り物に乗っている以上に。大声張り上げてる職員の人に文句を言うエネルギーも出ない。あの顔は多分聞いてももらえない。もう疲れた。我々は無言でうなずきあった。

もうここまで来たら俺とお前は他人じゃない。

なんていうか初めて、人生ではじめて、絆?が性別を超えた。はじめてがこれってだけで、今は性別関係なく大事な友人たくさんいるよ。でもこのときはほぼ初対面のマサトとの話ね。

トラブルを共に過ごして、ヒヨコたちは手を取り合って、はじめて自らを振り分けたんだ。一緒に耐えようこの上海の夜を。聞いてる?泣いてるの?いいよ泣いても。


最初に言いますがお色気展開はないよ。安心して。

古いけどわりと広めのツインベッドの殺風景な部屋で、我々は窓側と廊下側のベッドにそれぞれ溜息とともに沈み込んだよね。そういえばしばらく手足を伸ばして横になっていない気がする。気がするじゃなくて実際ずっと座っていた。フィンランドで朝起きてから、横にならずに29時間は経ってる。

あ、家族に連絡しないと…でもWiFiの電波がかぼそい上に、メッセンジャー経由で文字や通話しようにも、本土は仕様でfacebookがつながらない。連絡しなくちゃ。でも疲れた。機内食はあったけど、空港で待機やバスで時間がかったから、おなかすいた。

安心したのは、お金を持っていなくてもちゃんと食事は提供されたということ。ホテル併設のレストランは基本メニューが無料だった。航空会社が立て替えるやつなのかな。

安心じゃなかったのは、着替えも洗顔もメイク道具もなかったということ。それは全部スーツケース@空港だからね。外に出て買い物をすることも許されていないし、部屋には寝巻もついていなかった。しんどかったよね。

死んだ目で食事を終えて、ほんとそろそろ寝るかとなって。ストレスがらみの汗をかきながら丸一日以上着て、明日も着るしかない服のまま寝るのは嫌で、ベッドにもぐりこんでから2枚重ねたシャツの一枚だけを脱ぎ、私は目を閉じようとしたのね。

さー寝ようと。

そしたら、薄暗い部屋を静寂が包んだとたん、マサトが何かぶつぶつ言ってるの。どれだけ奥さんがかわいくて素敵か、結婚したての新婚さんで幸せか。どれだけイグアナが可愛いか、1.5M離れたベッドで、天井に向かってつぶやき始めたの。え、何…?それもう聞いたやつ…と思ったけど、だんだんわかってきたよね。「変な気起こすなよ?」って言われてたんだ私。牽制されたの。ここで。ええ…

マサトお前。私らはもう他人じゃないのに。他人じゃないっていうか、全然赤の他人なんだけど、なんかこう、一緒にトラブルを乗り越えて、励まし合って、信頼とかあったから今こうして同じ部屋にいるんじゃん!君の中でも見知らぬ外国人と同室 <<  私と同室 だったんでしょ? ていうかこれまでの会話のどこに、色っぽい要素あった?君もずーーっと、気分がアガるときれいなオレンジ色になるイグアナの話してて、私はいいねえーって聞いてたじゃん!もう!

でもそんな、襲ったりなんかしないよ、とあえて言葉にすることでかえって誤解を受けそうだし、別の話題を振っても恐怖されそうだし、適当に相槌打ちながら話聞いてたらさ、マサト急にスンッ…ってなって、「…なんでこんなとこにいるんだろう…」ってつぶやくのよ。それはもうこの一緒にいる長い時間の中で飛行機の中から200回くらい聞いてきたんけど、今はもう「なんでこんなとこに(こんな変な女と一緒に)いるんだろう…」って聞こえるわ相棒この野郎。

でもまあ私も大人だから、「ほんとうに不思議だよねえ…」って。「明日早めに日本に帰れないと、学会に出られないんですけど?え?このためにチケット取ったのに?」「心配だよねえ、ほんと早く帰りたいよねえ…」って。

で、愚痴を聞いて眠くなって、眠るために静かになると、また奥さんへの愛で牽制してくるから、ほっとんど眠れなかったわ。男女同室になったからって、すべてのケースでことが起きるとは限らないよ!っていうか私自分ではわかんないけど私がはじめから色気満載だったかな?それならごめん!!私がセクシーでごめん!!!!

セクシー


DAY3

朝。1-2時間は眠れたかもしれないけれど、とどめの睡眠不足のおかげで、油分と糖分がたっぷりの朝食がしんどかった。ていうか、さすがに同室でシャワーを浴びるという選択ができなくて、メイク道具もない化粧直しもできないカピカピの状態で空港へ向かうのは三十路の心にこたえたよ。

あともうちょっと続くけど。まあ次の朝同じようにバスに詰め込まれて、空港へ連れてかれてね。空港について戦慄したんだけど、もうカウンターが長蛇というか、列じゃなくて群れレベルで人で混みあってるの。群衆。昨日飛べなかった人が、色んなホテルから大集合したんだね。みんなおつかれモード。うわぁ…って思った。マサトはまた立ちながら死んでた。

状況として、パスポートは返してもらったけど、どの飛行機で日本に帰れるかみたいなアナウンスや確証はなくて、私たちを連れてきた人はいつのまにかいなくなってて、もはやカウンターに丸投げ。新たにチケット買わずに、これまでの半券を見せて、目的地行けてないからどっかに乗せろって交渉しろって感じ。まじか。最後の最後に。自分で振り分けられろと。

もう、とにかくモノがない、カピカピの私は気取ってる余裕がなくて、「飛行機の席ありませーん」という受付の人に、なんとかして!もう2泊してんですけど!ワタシヲニホンニカエシテ!って勢いで交渉というか泣きつきというか、もう覚えていないんだけど、なんとか成田への席を取って。やっとの思いで乗って、そこからはまあすんなり日本の地に降り立ったんだけど。

まあ当然というか想像通りというか、ロストバゲージしてたよね。預け荷物スーツケースが行方不明。ベルトコンベアが何周回っても私のBURTONまわってこない。

でもそこはもうね、日本語の通じる国のカウンターなので、ノーメイクかつ顔と髪はテラッテラ目は死んでたけど、大人の態度で聞いたよ。荷物流れてこないんですけど?って声だけは必死でいい声作って。まゆげないのに。パンダ目なのに。

バゲージクレームのその場では調べてもわからなくて、申し訳ありません、とりあえずお帰りになって連絡をお待ちくださいと。結局顔を何一つ直せないままリムジンバス経由で実家へ。ここでやっと眠ることができた。夢うつつ、途中通りかかった、ランドだかシーの壁の色、上海で泊まったホテルの壁の色と同じだあ…とか思いながら。

親は心配してたどころか、「あれ?帰ってくるの今日だっけ?」って言ってた。わかるよ。孫、私の妹の第二子。生まれたばかりのホニャホニャ泣いてるちっちゃいのいるもん。かわいいよね。夢中だよね。忘れるよね。わかるよ。


埼玉に戻った次の日に航空会社から電話があって、預けた私のスーツケースが手違いでどっかの国にいっちゃってたみたいで謝られて、当然取り戻して実家に送ってくれたんだけど、どこだったか忘れちゃった。ジャマイカだったかな。どんな手違い方なのよ。私南米行ったことない。スーツケースだけ行って帰ってきた。

ちなみにマサトはロストバゲージしなかったけど、学会には間に合わなかったらしい。かわいそうに。


締め

まあそんなことがあったんだよね。今思い出してもすごいよね。私らみたいな経験した人はそんなにいないと思う。

その時も、今も、自分的にはトータルまあまあ刺激的で楽しい出来事だったんだけど、なんでこの話をしたかっていうとさ。なんかちょっと、「こっちは何もしないって思ってるのに誤解されてる人の気持ち」を、偶然ちょっと体験できたってことなんだよね。

まあ私は性別的には女性で、異性といると経験上、どっちかといえば身を守ることをまず考えるけれども、こちらが身を守ることを考える一方で、「自分にはその気はないのに、襲われるかもと誤解されたらどうしよう」と相手がドキドキ戦々恐々していることもあり得るんだよね。例えば、夜道をふつうに歩いているだけなのに、前を行く女性に怯えられて複雑みたいな。

「全然そんなことしない。大丈夫だから!!」っていう言葉も、ともすれば「大丈夫!ちょっとだけだから!」と陸続きだし、潔白を説明しようとするにも、話題として机に乗せてしまうことになるので、意図しない方向にとられるかもしれない。直接は潔白を自ら証明できずに、ただ疑われないよう、紳士的にふるまおうとするしかないみたいな。しんどいよ。私がその状態に、人生ではじめてなったのよ。

ふだんとは逆の立場で、そんな人の気持ちを、リアルに少し味わった気がしたんだよね。あるドラマを夢中で見ていて、立場を逆転する、性別を逆にすることで、みえてくるものがあって。相手を尊重しているつもりなのに、伝わっていないと感じるのは、なかなか複雑な気持ちだった。

で、結論としては、大奥シーズン2が超面白いから見てってこと。見て。

NHKドラマ10「大奥 Season2」 原作/よしながふみ
【放送予定】 2023年10月3日(火)スタート<全21回>
[総合][BS4K] 毎週火曜 よる10時~10時45分

【あらすじ】
―この国から赤面を駆逐してほしい― 8代将軍・徳川吉宗の死よりおよそ20年後。彼女の遺志を引き継いだ若き医師たちは、理不尽な権力・悪にも抗いながら謎の疫病『赤面疱瘡』撲滅の道を地道に切り拓いていく。その結果、男子の数は増え始め、ついには150年ぶりに男将軍が誕生するまでの世へと紡がれていった。しかし、世の舵を男が取るようになってから、世は再び乱れ始め、女将軍が復活していく。そして―開国、攘夷、大政奉還、江戸城無血開城-と時代は大きく突き進んでいき、徳川という時代の幕引き、ついには“大奥”の終焉を迎えていくのであった。
【出演】
■医療編 平賀源内(鈴木杏) 黒木(玉置玲央) 青沼(村雨辰剛)伊兵衛(岡本圭人) /徳川家斉(中村蒼) 御台・茂姫(蓮佛美沙子) /松平定信(安達祐実)田沼意次(松下奈緒)一橋治済(仲間由紀恵)
■幕末編 瀧山(古川雄大) 徳川家定(愛希れいか) 阿部正弘(瀧内公美) /和宮(岸井ゆきの) 徳川家茂(志田彩良) / 胤篤・天璋院(福士蒼汰)
【原作】 よしながふみ 【脚本】 森下佳子 【音楽】 KOHTA YAMAMOTO
【主題歌】 Aimer 「白色蜉蝣」
【制作統括】 長谷知記 藤並英樹
【プロデューサー】 舩田遼介 松田恭典 舟橋哲男
【演出】 大原拓 末永創 川野秀昭 木村隆文

https://www.nhk.jp/p/oooku/ts/PKYJ66Q8JP/


おまけ

★予定の行程
①ヘルシンキ→フランクフルト→成田(13h)

★実際の行程
①ヘルシンキ→フランクフルト(5h)
②フランクフルト→上海(11h)
③上海空港→ホテル→上海空港(16hくらい?ここだけ記憶が曖昧)
④上海→成田(2.5h)
計36h
※さらに、日本はプラス6時間の時差なので、例えば6/1の17:00に出発したら、6/3の11:00に到着する感じ。

文中イラスト及び写真:イラストAC, 写真AC


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