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舞台「千と千尋の神隠し」感想

チケットが取れなさすぎて絶望していたところ本日昼頃に突然ご縁がやってきて、夕方には帝国劇場にいました。
(Twitterでチケットを譲っていただきました。緊張しましたが優しいお姉さんでとても助かりました……ありがとうございました……)

いままさに帰りの電車の中です。
興奮冷めやらぬうちに、観劇直後の感想を残しておきます。いつも以上にまとまりのない文章ですが、覚書として。よろしくお願いします。

映画「千と千尋の神隠し」はわたしにとってリアルに1000回くらい観ている、すきとかそういうレベルじゃないくらいに大切な作品なので、ワクワク8割、不安2割くらいの気持ちで劇場に向かいました。

が、結論から書きます。
キャストの方々全員、3000回は映画を観たんじゃないかというくらいの再現度、そしてただ完全再現するだけじゃなく舞台ならではの演出やセリフまわしも加わって、本当に素晴らしいものになっていました。

本日のキャスト。

なんといっても主演の上白石萌音さん。
幕が上がって登場し、振り向いた瞬間の、あの不安げで無気力な表情。あぁ千尋がいる、と気づいた瞬間涙が溢れて止まりませんでした。

「ここは嫌だ!ねえ、帰ろうよ」「お父さぁん!」
映画を一度でも観たことがあるひとなら、あの足をバタバタさせる千尋の仕草を誰もが思い浮かべられると思うんですけど、全くそのままでした。
序盤は少し固くて力のない声で、後半に向かうにつれてどんどん声や表情に意志の強さが現れてくる。「ハクは私を助けてくれたの、私 ハクを助けたい!」という台詞で爆発する。それが映画の千尋と完全にシンクロしていました。
声も話し方も表情も、泣き方も走り方も、ぜんぶ千尋でした。
本当に本当に愛おしかった。千尋に命を吹き込んでくれてありがとうございます。もし何をしても許されるなら、上白石萌音さんを抱きしめたかったです。
ファンレター書こうと思う。ファンクラブも入ります。

ハクもリンも釜爺も湯婆婆も、ものすごい再現度でした。
とくに声というか話し方。
映画のハクの声は入野自由さんが声変わりしかけのときに収録されたもので、ご本人曰く「あの声はもう二度と出せない」そうなので、あの透き通るような声とあやしさと美しい見た目を兼ね備えた少年を演じることができる俳優なんているのか?と思っていましたが、いた。
醍醐虎汰朗さん、立ち姿や発声の仕方がハクそのものでした。空を飛ぶシーンでうつ伏せの状態で持ち上げられてもあの声を維持しながら台詞を発することができる凄さ。パンフレットのお写真を見たらハクと全然違った体育会系の野球少年みたいなビジュアルでびっくりしました。俳優さんてすごいんだな。
三浦宏規さんのハクも好評らしいので見てみたいです。

湯婆婆を演じた朴璐美さんは、"本家"である夏木マリさんとダブルキャストということで、わたしなんかが想像もできないくらいのとんでもないプレッシャーなんじゃないかと勝手に思っていましたが、いや、湯婆婆でした……
みんなそれぞれの持ち味を活かしつつちゃんとそのキャラクターになっていた。これ主要キャスト入れ替えたらどうなるんでしょうか。
橋本環奈さんの千尋も、田口トモロヲさんの釜爺も気になるなぁ。
円盤化することがあれば全パターン収録してほしい……

あとは久石譲さんの音楽が帝国劇場で聞けたということだけでも最高の贅沢でした。
もうしばらくサントラばっかり聴いてしまうと思います。
舞台用に歌入りになっている曲があったりするのも良かったです。


生でエンタメを体感すること自体がかなり久しぶりで、たぶん2年ぶりくらいだと思います。
こんなに大きくたくさん拍手をしたのも久しぶりだったので、それだけで感無量でした。
カーテンコールで観客全員がスタンディングオベーションしている景色がとても印象的でした。
舞台上を全力で走り回って何度も客席に手を振ったり投げキッスをしてくれる上白石萌音さん。弾けるような笑顔が最高に素敵でした。あなたが千尋でよかった!
他のキャストさんに抱きしめられたり絡まれたりしていて、とても愛されているひとなんだなとわかりました。

あぁ、もうぼんやりしたものになってしまっている……でも最高の1日だったことだけは確かです。
素敵な非日常を、本当にありがとうございました。

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