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今週の読書記録

久しぶりの読書記録です。

春になったので、日当たりのいい廊下で本を読んでいます。
カメムシがブンブンと周りを飛ぶこともありますが、おおむね快適な読書をできています。ここ最近、ずっとゲストハウスの開業までの話を書いていて、自分の脳内を言葉にする作業を怠っていた心持ちなので、今日は好きに書ける喜びを噛みしめながら書いています。

文章を「上手」に書くのはよくわからないけれど、書くのは楽しいです。
本を読んでいれば、それなりにいい文章が書けるような気がしていた時期もあったけれど、今はどうにもわかりません。

たとえば、音楽をよく聞く人が優秀な演奏者になれるかというとそこには修錬が必要ですよね。文章もきっと同じなんですね。

ブロガーみたいに誰かの利益になることを書いて収益を得るってことに憧れなくはないですが、どうにもそこまで行ききれない自分がいます。
言葉にたくさん触れてきてしまったから、ノウハウを教材にしてお金を稼ぐことに抵抗があるのかもしれないなぁと思うこともあります。

そんなかっこいいことを言いながら、2年間の収支報告を売った自分もいて、この一貫性のなさがまた自分っぽいなぁと、嫌にはならず、好きになります。AB型だから二重人格なんです。って血液型占いとか全く信じないけど、こういう時だけ便利なので使います。卑怯ですね。

さぁ、今日は読書記録について書きます。
前口上が長すぎてうんざりした方は、ここで一度休憩をしてください。
どちらが本題かって言われるとどっちも本題だし、どっちも本題じゃないです。でも、どっちも楽しく書いています。

読書記録をいきなり書くのが苦手で、助走のために前口上を書いています。今日は気分が乗ったので、こんなに長くなりましたが、もうここらで本当におしまいにしておきます。


それでは肝心の読書記録です。

「蒼き狼」 井上靖

モンゴル帝国を築き上げたチンギスカンのお話。
井上靖の著作は「天平の甍」をちょっと読んでやめてしまった記憶があり、これも途中で挫折するかなと思ったらスラスラと読めた。
テンポがとてもよい。戦の話が簡潔に書かれているので、はい次の民族、はい次の民族と軽快である。その一方で正妻ボルテや愛妃忽蘭とのやり取りは深く描かれていて、チンギスカンの人間性や苦悩を感じ、物語に引きづりこまれていく。
チンギスカンの話って学校ではさらっと習うけれど、その生い立ちやどのように他民族を征服していったのかは時代背景含め知らなかったので、入門の小説にはバッチリです。

「ながい坂 上下」 山本周五郎

下級武士の子に生まれた小三郎が、不条理な出来事に強く憤り、学問や武芸に励むことで、不条理なことを受けずに済むように精進していく物語。
よくあるような設定ではある。
ただ、その不条理な出来事が「釣りで行く沼への近道の橋が壊されたこと」というのが人の一生を変える出来事としては些細なことだよなぁと引っかかりつつも、些細さゆえにってこともあるかと、逆に物語にリアリティをもたらしているような気持ちになっていきます。
橋が壊されたことで、自分の親を自分の親だと思わなくなるし、世の身分格差に憤ったりと、思想は激烈に変化していくのですが、それに比例して主人公の小三郎は出世を重ねていきます。

そして出世を重ねれば重ねるほど、自らの生い立ちや身分が自らを苦しめていくのですが、小三郎はその苦しみと向き合いながらも前に進んでいきます。その姿に、やっぱりかっこよさとロマンを感じてしまうんですよね。
一人の男として、惹かれます。男と括ってしまうことが正しいかは別として、やっぱり男の人ってこういう話好きだと思います。私は好きです。

山本周五郎の他の作品も読んでみたいと思える作品でした。

「されど われらが日々ー」 柴田翔

これぞ、青春小説!
描かれている時代は1960年前後と古いので、もちろん現代との価値観の違い、文化の違いはあるけれど、青春文学の金字塔だけあって、色あせずに感じるものが大いにあった。この作品を大学生の時に読んでいたら猛烈に影響を受けていたと思う。死生観やどう生きるか、生きる目的、未来への不安、若いからこそ抱える悩みをこれでもかってぶつけてくるので、読むタイミングが違えば人生ベスト3に入ったかもしれない。
ただ、私ももう子持ちの30歳なので、いささか揺れることが少なくなった。
その点だけが残念なところでした。

当時の時代背景を理解していなくても読めますが、理解しているとより深く読めると思います。

それでは今週の読書記録はこれでおしまいです。

また来週くらいにお会いしましょう。


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