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心がふれあう絵本の楽しさ

子ども達が小さかった頃、
よく一緒に絵本を読んでいました。

私が子どもの頃にはなかった
いろんな絵本に出会えるのが
うれしかったこともありました。

子どもが絵本に見入っていたり、
笑ったり、登場人物の真似を
したりするのを見ていると、
なんだか幸せな気持ちになりました。

中でもよく覚えているのは、
「あおくんときいろちゃん」
を読んだ時のことです。

娘が3歳で、息子はハイハイしてる
頃だったので、どちらかというと
娘にむけて読んでいる
つもりだったと思います。

その絵本の中で、あおくんと
きいろちゃんは大の仲良しで、
ぴったり重なってみどりになって遊びます。

すると、それぞれのパパとママが
『おや このみどりのこ 
うちのあおくん(きいろちゃん)じゃないよ』
と言うのです。
2人は悲しくなって泣きます。そして、
『おおつぶのあおいなみだと
きいろいなみだがこぼれました』
というシーンがあります。

そこで私がアドリブで
「えーん、えーん、おかあさーん、おとうさーん」
と言っていると、四つん這いで仲間入りしていた
息子の口がだんだんへの字になり、
「おーん、おーん」 と大声で泣きはじめたのです。

その時の私に少し余裕があったからでしょう、
息子の泣き顔がとてもかわいく思えて
「あら!○○ちゃんまで泣いちゃうの・・・」
とか言いながらしばらく見つめていました。

そして同時に、こんなに小さい子が
絵本に心を動かされて泣いていることに
心の中でびっくりしていました。

それからしばらくは「あおくんときいろちゃん」
を読むたびに、同じシーンのところで
息子はかわいいへの字の口になって、泣くのでした。

この時は、人は泣くことで傷ついた気持ちを
癒やして元気を取り戻す、
ということは知りませんでした。

それでも、息子の泣く様子を見ていると、
何か理由があって泣いているように思えました。

そして「親の時間」に参加してから
「赤ちゃんも周りの人のことを
よくわかっているし、いろんなことを感じている」
と聞いたとき、きっとそうに違いない、
とこの時のできごとを思い出しました。

子どもと一緒に絵本を読む楽しさは、
子どもと、私と、絵や文を書いた人の
心がふれあうことの楽しさなのかもしれません。

いっこ

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