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沖縄で過ごした2年間

現在私は札幌に住んでいますが、
20年程前夫の転勤で2年間
沖縄で生活したことが有ります。

その頃夫の職場から誰かが
沖縄に赴任しなければならず、
他の方はお子さんの学校等の関係から
転勤が簡単にはいきませんでした。

けれども、娘がまだ2歳と幼かった
夫は比較的ハードルが低かったのでしょう、
2〜3年で札幌に戻してもらえる
条件で転勤を受諾しました。

旭川に生まれ育った私は
それが決まった時点では大喜び。
『雪の降らない所に行けるなんて夢みたい』
と真っ先に思ったからです。

そうした期待いっぱいの中、
沖縄での生活が始まりました。

でも、間もなく遊びに来て
楽しい場所と、自分にとって
暮らしやすい場所が一致しないことを
つくづく実感しました。

沖縄は、札幌に住んでいた私にとって
真夏の様な気候が4月から11月までの
1年の半分以上もあった為、
体力のなかった私の体調は
いつも夏バテ状態で、
梅雨も初めて経験しました。

食べ物と生活習慣もまるで違いました。
買い物でスーパーに出掛けても
見たことのない魚がならび、
豚肉は塊で売られていることが殆どでした。

商品以外でも知らない言葉が
店中に溢れていました。
店内が混み合う時間帯も
これまでの様な夕飯時ではなく、
少し遅い夜の9時頃でした。

後から聞いてわかったのですが、
暑い時季には昼間の外出を避け、
涼しくなってから出掛けるのが
当たり前だったみたいです。

スーパーに行く為に自転車を漕いでいる
最中ホーム・シックに陥り、
『これが親元を離れるということなのか』
と心から思ったものです。
結婚して旭川から札幌に来たものの、
本当の意味で自立していなかったのでしょう。

そしてもうひとつ。
どんなに長く厳しい冬があっても
私は札幌や北海道が好き。
樹々に雪が積もった景色も、
雪どけでゴミが目立つ
春先の汚い歩道の状態ですら。

でも、時間というものは実に不思議なもので、
あれほどしんどかった沖縄での生活も
今は懐かしく感じます。

いつかは住んでいた団地、
娘が通っていた幼稚園、
何度も遊びに行った那覇のデパートなど
想い出巡りをしたいなあ。

たった2年でしたが、
もう二度と経験出来ない貴重な時間
を過ごせたことは幸運だったと
今は思えるのです。

みゆ

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