667.かして
かして。
玩具だったり、食べ物だったり、とにかくちょっと貸してほしいという時に、キミがそう口にするようになった。
発音は「あーいーえー」だけど、貸してと言っているのが伝わる。
きっとママがそう教えているからだろうけど、物事を少しずつ理解して言葉にしていることに感動する。
おかげであれやこれや何でもかんでも「かして」と言ってくるわけだけど、可愛ければ何でもアリだ。
金曜日。
初めて泣かずに保育園を終えた。
迎えにいくと両手の甲を両の瞼にあてて「えーんえーん」と涙も流さずそうしていたキミだったけど、それすらしなくなった金曜日。
きっと保育園を楽しいと思ってくれたに違いない。
何というか一安心だ。
毎回寂しい思いをしていたらと考えると心配になるから、これはこれでこっちも少し寂しいけど、よかったと心底思う。
そんな金曜日を越えて、土曜日の朝。
先週から調子の悪かったキミの風邪をもらったようで、若干だけど体がしんどい。
おかげでキミがどれだけしんどかったか手にとるようにわかった。
キミも節々が痛くなったりしたのかな。であれば、よく頑張ったと褒めてあげたい。
日々もっと書いておきたいことを思い付くんだけど、こうして改めて書いているとすっかり忘れている。
お辞儀を覚えたことや、去年の帽子がもう被れなくなってしまったことや、オムツの交換を嫌がるようになったこと、注意された時にしょんぼりと頭を垂れるようになったこと。
何度も思い出して、何度だって脳裏に焼き付けておきたいと思う幸せなものなのに、こうして綴っておかないと忘れてしまいそうだ。
忙しい毎日を夢中になって生きていると、きっと一瞬で過ぎ去ってしまうんだろうなぁ。
気がつけば小学生になって、あっという間に中学生になってしまいそうだ。
ついこの前生まれたばかりだと思ったら、もうすぐ二歳になってしまうんだから、うかうかしてたら本当に一瞬だ。
詰め込んでおこう。
この忘れっぽい頭の中に、キミの輝かしい姿を目一杯に詰め込んでおこう。
いただいたサポートは娘のために使わせて頂き、後日そのあたりを記事に出来たらと考えております。詳しくは万一そんなことがあった時に考えます。