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ペーパーバック『愛ゆえの福岡市』発売までの顛末

2021年1月から2月までの1か月間、noteで1日1本コラムを書き続けた結果、コラム集『背骨は折れるが人生は続く』が出来上がったことは、以前コラムでも紹介しました。キンドルの電子版で無料で売ることもでき、印刷版はキンコーズで1冊だけ作ったので、自分なりに満足しました。
ところが、その1冊を読んだ父親が、「書籍にして、名刺代わりに周囲に配りなさい」と言い出しました。なんでも銀行など得意先にも配れとのこと。私はいぜん印刷業界にいましたので、書籍の製作費用がいくらかかるか見当もついていたので、大反対しましたが、会社では父は会長にあたるので抵抗できず、結局知り合いの印刷会社に自費出版を依頼しました。その印刷会社はとても親切・真摯な会社で、校正も何度もしていただきましたし、何よりとてもチャーミングな表紙をデザインしていただきました。知人・友人にも配り、自費出版文化賞という賞にも応募した結果、一次選考を通過しました。


ただ、予想通り、コストはかさみました。オンデマンド印刷、つまり高性能のコピー機のようなもので印刷したのですが、それでも50部で50万円(カラー表紙代、消費税込)かかりました。「名刺代わり」としては、1部1万円というのは高い名刺ですよね。内容もブログ本みたいなものだったので、反響もそんなにはなかったというのが実情です。
さて、1冊書けばネタは尽きると思っていたら意外とそうでもなく、3年間住み、研究し、体験した福岡の歴史について、またしてもnoteで連載し、例によってキンドルの電子版で無料で出版しました。そのプラットフォーム(キンドルダイレクトパブリッシング)の操作過程で、「ペーパーバック」(つまり簡易印刷版)で発行できることがわかり、さっそく作ってみることにしました。
入稿はPDFでの完全データ入稿ですし、表紙をデザインしてくれることもないし、校正してくれることもありません。ですが私のようなIT音痴でも入稿できましたし、なんとか表紙もつくることができました。
驚いたことは、印刷コストが1冊449円ということです。カラーのカバーデザイン・印刷はないとはいえ、前作の1冊1万円とは大きな違いです。しかもキンドルではなんと1冊から受注生産。印刷コストを上回る価格設定にすれば、決して損をすることはない仕組みです。
というわけで、1冊800円(税別)でアマゾンにてペーパーバックを発売しました。ぜひお買い上げいただきたいと思います。福岡に住んでいる人も、住んでいない人も、楽しめる内容になっています。
なんか宣伝みたいになってしまいましたが、一介のライターとして、初期投資ゼロで気軽に印刷版のペーパーバックが製作・販売できることは大きな喜びです。と同時に、印刷会社も商売あがったりだなと、心配もしてしまいます。それくらいビジネスモデルを変えかねないサービスだなと感じました。


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