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発達障害の私が逮捕された話④
前回の記事では、留置所での初夜の様子をお伝えしました。今回は、留置所での二日目の朝から始まる日常、取調べ、そして弁護士とのやり取りについてお話しします。
一睡もできず迎える朝。今日は何かあるだろうか。淡い期待と不安が入り交じりながら始まる。
まず担当から布団をたたむよう指示される。その後、菓子パン二つと飲み物が与えられる。糖分を摂取するとリラックス効果があるのを知っていたので、あんぱんを飲み物で流し込む。もう一つのパンは無理だった。
その後、歯磨きと部屋内の掃除をする。
一通り終わり、運動の時間がくる。運動と言われると広場のような場所を想像するが、実際は四方がコンクリートに覆われたベランダ。外からは一切見えず、天井の一部がわずかに開いていて日光が差す程度の場所だ。
特になにもすることはなかったため、すぐ部屋に戻るよう担当に言われた。
その後、
「126番、調べ」そう言われ部屋から出る。別室で手錠をかけられ、留置所から出る扉の前に立つとA警官がいた。
A警官に連れられ、手錠をつけられたまま鑑識らしき人物からDNAや指紋の採取、マグショットと呼ばれる写真の撮影が行われた。
一通り終わった後、取り調べ室に入る。胴体とパイプ椅子に括り付けられ、取り調べが始まる。
「寝れた?」一睡もできなかったことを告げる。
「今できることは体調を万全にすることだけだから、それに徹したほうがいい」そう言われる。二日目の取り調べはあまり記憶がなく、ただ翌日裁判所で引き続き勾留するかどうか判断が下されることを聞いた。
昼になり、一旦留置所に戻り部屋で昼食をとる。「今できることは体調を万全にすることだけだからそれに徹したほうがいい」この言葉が頭の中に残り、食欲はなかったが昼食を無理やり詰め込む。
昼過ぎ、またA警官から取り調べに呼ばれる。
ここでの取り調べもあまり記憶に残らなかった。調書は取っており、サインする。
夕刻、取り調べが終了する。
部屋に戻り夕食を詰め込む。
また長い夜が続くのか。
そう思いぼーっとしていると、
「126番、でてこい」この時間になんだ?とびっくりし、担当に連れられ面会室へ。
面会室に入ると、とても若い男性と中年くらいの男性二人がいた。一枚のガラスを挟んで。
「私が弁護士のSです。」中年の男性が言う。
「私はYです。」とても若い男性が言う。
私も名前を言う。
「当番弁護士できましたが、遅れて本当に申し訳ありません。現時点では我々のほうに情報はまだなにもない状態でして、事件の内容を教えて頂けますか?」S弁護士に言われ、私は一連の出来事を話す。S弁護士はノートとペンで内容を書き把握する。
「この先も国選弁護士としてあなたの担当になっていいですか?」
また違う人と一から事情を話すのも面倒だったので、よろしくお願いしますと言いました。そして翌日裁判所で一旦釈放されるかどうか決まる話がされる。この先の動向は翌日の決定で変わってくるので、この日は一旦終了しました。
なぜ二人の弁護士がいるのかとは思ったが、それ以外は気にする心の余裕はなかった。深海に沈むような圧迫感と孤独感に包まれていた。
部屋に戻り、再び頭の中で思考が渦巻く。これからどうなるのか、母は無事だろうか、次々と浮かぶ疑問と不安が交錯し、考えるうちに意識が薄れていった。気がつけば、いつの間にか記憶が途切れていた。
起床のベルの音で目が覚めた。
次回は、裁判所での体験について書こうと思います。
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