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[Excel]データ集計をどう行うか? 実際の自治体データをもとに考える③ 下準備

実際の自治体データを使って集計してみるシリース、その③です。

【まとめ】集計に入る前にやる下準備


【説明】
集計すべきデータが目の前にあったら、すぐに集計したくなるのは人情です。
でも、そこを堪えて、まずは下準備をしましょう。
下準備をしておくことで、次回以降(あるいは後任)が楽になります。

サンプルデータ
茨城県ホームページ 「旅館業」 のページの下の方の 「7.旅館業法に基づく許可施設一覧」にある 旅館業法に基づく許可施設一覧(令和5年11月15日現在)(エクセル:350KB) 

1 ファイル情報のシートを作る

「ファイル情報」シートを作り、そこにファイルの情報を記載します
これが、今後(自分や後任)の助けになります。
具体的な操作例は以下の通り(シートの作り方は他の方法もあります。)。
 
①シートを追加する(「+」マークをクリック)。

「+」キーでシートが増えます。

②シートの名前を変える(タブをダブルクリック → backキーでシート名を削る → ファイル情報 と入れる)

Sheet2という名前のシートが出来ます。
ダブルクリックすると、上の表にシート名が選択されるので、
backキーでこのシート名を消します。
シート名が「ファイル情報」になります。

③必要な情報を入力する。

どんな情報を載せるかのルールはありませんが、マイルール(組織ルール)を決めておくと効率的です(ただし、あんまり複雑にはしない。)。

本例では以下としています。
・出典:データが掲載されていたURLやサーバの保管場所等
集計の根拠になるので重要です。
それが分からないと、後任が更新するとき大変です。
*URLは Ctrl + K で「ハイパーリンクの編集」が開くので「アドレス」に入れます。サーバのアドレスでも構いません。ワンクリックで開けます。

Ctrl + K で上のウィンドウが開きます。
URLやサーバーのディレクトリは、下の「アドレス」」に入れます。

・作成日、作成者、連絡先等
これがないと「名無しエクセル」になります。
個人名を入れるのは、役人は嫌がる傾向にありますが、内容に疑義や誤りがある場合、連絡をとれないと困ります。

・更新履歴
集計内容にもよりますが、長く使う集計の場合、あった方が便利です。

これらは、それぞれ別シートにしてもいいのですが、シートが増えすぎるのも面倒なので、1シートにまとめておいた方が楽でしょう。
*私の場合は、「ファイルの保存場所」や「ファイル名(いずれも自動抽出)」、「フォント名」なども入れています。

2 元データのシート名を「元データ」にする

集計する前のデータは、加工せず、そのまま残しておきます。
もし間違えても、「スタート」から始められます。
元のデータの一部を誤って削除や修正してしまうと、元の状態に戻すのは大変です。「0スタート」どころか「マイナススタート」になってしまいます。
シート名は「元データ」でなくとも構いません。「元」でも「オリジナル」でも「原票」でも、同僚や後任が見て分かれば何でも構いません。
各ファイルで統一しておくと混乱を防げます。

3 元データをコピーして、集計用データを作る

集計用に弄るデータを作ります。
集計用のデータの作り方は、2つあります。

①「元データ」シートそのものをコピーする。
シートのコピーは、Ctrlを押しながら、タブを左クリックしたま、右へドラッグすれば「元データ(2)」というシートが出来ます。

Ctrlキーを押しながら右へドラッグでシートがコピーできます。

このシートを「DATA」という名前にして(名前は何でもいい)、集計していきます。

シートを「DATA」に変えます。

この場合、元データの「悪いところ」もコピーされます(例:セルの結合等)。
それを避けるには、②の方法でやります。

②新しいシートを作って、「元データ」し0とのデータだけを全部コピーし、新しいシートに「値のみ」張り付ける。
*全部コピーは Ctrl +A の後に Ctrl + C です。
値のみ貼り付けは、
Alt +Ctrl + V
又は
Alt → E→ S
で「形式を選択して貼り付け」が開く → V → OK
です。(私は後者を多用しています。3キー同時押しの前者は苦手です。)

この場合、計算式は消えることに注意が必要です。
しかし、このデータ内を弄る(数値を変更する等)予定はないので、むしろ計算式がない方が、データが変わらないという点でメリットがあります。
計算式や書式を活かしたいなら①にします。

②の場合、列幅の修正やフォントの変更などの手間が生じます。
私はなるべく「素」の状態から始めたいので②を多用していますが、今回は①の方法でコピーします。

4 表頭(ヘッダー)を固定する。

下にスクロールしても表頭(ヘッダー)が消えないように固定します。
右にスクロースしてもNOだけは消えないように、B4セルを選択したらAlt → W(表示) → F(ウィンドウ枠の固定)→ F(ウィンドウ枠固定)の順で押します。(解除するときも同じ順番で押す)

本当は、右スクロールしても E列の「営業施設の名称」は常に表示させておきたいっところですが、そうすると、次のF列以降の表示範囲が狭くなってしまうので、今回は避けました。
データの並び具合やディスプレイの大きさ、拡大割合に応じて、どこで固定するか決めればいいでしょう(固定も解除も3秒で出来るので、とりあえず、どこかで固定しておけばいいでしょう。)

不要な行は消す

もう一つ。
1行目の表の名前、2行目の「令和5年12月31日現在」(一番右にある)という情報は、集計には不要です。
表頭の上に空欄セルがあると、集計できなかったり、ミスの元となりますので、この2行は消しておきます。
*今回はそうではありませんが、表の名前は、セルの結合が使われている場合が多く、集計の際の邪魔になります。

1、2行目を選択します。
マウスで行番号を選択します。
Shift+Spaceで行選択、という説明も多いですが、
日本語入力モードでは効きません。
右クリック→D で選択行が削除されます
上の2行が削除され、表頭(ヘッダー)が1行目になりました

これで、概ねの下準備は終了です。
ただ、これを毎回やるのは、ちょっと面倒かもしれません。
個人的には、「集計用ひな形」ファイルと作り、そこに元データシートを追加することで、上記の作業を効率化しています(やり忘れを避けられます。)。

以上、長くなりましたが、参考になれば幸いです。

次の記事はこちらです。
[Excel]データ集計をどう行うか? 実際の自治体データをもとに考える④ 「営業の種類」別の数を、計算式を使わないで、どう出す?


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