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捨てないで! そのゆで汁、出汁ですから!:ゆで汁を活かす方法

どのゆで汁だ、と言う話ですが。
まぁ、焦らずに。

誤解を恐れずにちょっと乱暴に言うと、何かを茹でたゆで汁は出汁として使えます。(一部を除く)

どんなゆで汁が出汁になるのか

肉や魚、野菜を茹でたゆで汁は、出汁として煮物や鍋料理、スープのベースとして使えます。
なぜかと言うと、その食材の旨味が流れ出ているからです。

そう、流れ出た旨味ももったいないから使ってしまおう!と言う魂胆なのです。エコです。

例えば、トップ画像では豚肉を茹でています。このゆで汁は、たんぱく質が加熱によって凝固したアクなどを濾して刻んだ野菜を煮たら、塩で味付けるだけで美味しいミネストローネが出来ます。

このように、サラシやガーゼ、キッチンペーパーなどで濾すと…

きれいになって、スープのベースになります。
大ぶりに刻んだキャベツや人参、じゃがいもを入れて煮込んだら豚肉の旨味が染み込んだ絶品のポトフが出来ます。

蒸し鶏や鶏ハムを作った時のゆで汁も同様に、チキンスープとして使えます。わかめと溶き卵で、あっという間に卵スープの出来上がりです。

このように、ゆで汁を上手く活用すると、実は顆粒のコンソメの素を使う必要が無くなります。
もちろん、使いたい時にいつもいつも上手いことゆで汁があるとも限りませんので、コンソメの素を常備するのも良いと思います。

次はお魚です。
お魚のアラ(頭や骨、皮など)を茹でてみそで味をつけると美味しいアラ汁になりますね。

フランス料理のスープ・ド・ポワソンも魚の出汁ですね。魚を香味野菜とじっくり煮込んだスープです。この辺りはイメージしやすいと思います。
鯛や鱧など白身魚のアラをゆでたゆで汁は、お吸物として使えるくらい旨味が強く、かつ上品な出汁になります。

さて、野菜です。
野菜のゆで汁も、出汁として使えます。

以前流行ったベジブロスも野菜出汁ですね。ベジブロスは玉ねぎの皮やキャベツの芯など、捨ててしまう部分を取っておいて煮出したもので、色々な野菜の旨味の相乗効果でとても美味しいです。でも実は、野菜1つでもしっかり旨味のある野菜ならその野菜を茹でただけのゆで汁も出汁として使えます。

例えば、ロールキャベツを作るときにキャベツを茹でてから葉をはがしてひき肉だねを巻きますよね?この時のキャベツを茹でたゆで汁は、キャベツの旨味や甘みが出て美味しいので、出汁として使えます。

どうやって使うかと言うと、ロールキャベツを煮込む時のスープとして使えるんです。もちろんスープやポトフなどの煮込み料理のベースに使っても美味しいですが、そのまま使い切れるので割とおススメです。しっかり巻いたロールキャベツをお鍋にみっちり詰めて、軽く塩味を付けたキャベツのゆで汁を注いで煮込むのです。そうすると、ひき肉の旨味と合わさって、充分美味しいロールキャベツになります。

たくさん作って残ったら、元がシンプルなのでトマトや牛乳を入れてクリーム煮やトマト煮に味変出来るのもおススメの理由です。
下の写真は、クリーム煮にした後、さらにトマトを足したトマトクリーム煮です。
(何回味変するのか…)

他にも旨味の多い野菜としては、白菜やトマトなどがあり、野菜出汁は精進出汁として使えます。もちろんヴィーガンの方もOKです。

出汁に出来ないゆで汁は?

一方、やはり捨てるしかないゆで汁ももちろんあります。

・えぐみやアクを抜く目的で茹でたもの
(ごぼう、ほうれん草などのゆで汁)

・臭みを抜く目的で茹でたもの
(牛モツ、豚モツ、鶏モツなどのゆで汁)

魚の下ごしらえとして、霜降りした時のお湯も臭みと汚れなので捨てて下さい。

上記の例で1つ例外があります。
それは牛すじや牛スネ肉です。

牛すじの下ゆでしたゆで汁は1〜2度(鮮度や状態によります)は臭みがあるので茹でこぼして、2〜3回目のゆで汁は牛出汁として使えます。

生姜やニンニクを入れて塩や醤油、ナンプラーなどで味付けし、ごま油をひと回しすると、テールスープのような旨味のあるスープになります。
タイ料理のお好きな方は牛肉のフォーのスープとして使えます。

このように、意外と使い途がありますので、そのゆで汁、捨てずに活用してみませんか?

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!