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PAYSAGE by Hideki Eto 2021.Hiver

アニバーサリーレストランunisのシェフパティシエである江藤英樹氏のスイーツブランド「PAYSAGE」
そのデセールコースを楽しんできました。

フランス語で風景、景色を意味するPAYSAGEをブランド名に掲げ1月からスタートしたデザートコースのHiver(冬)を予約したのは、たまたまTwitterでフォローしていた方が予約案内のTweetをRTされていたものを見かけたからでした。
信頼のおける方だったので、江藤シェフの実績や職歴などの事前情報ゼロで、
「2/27(土)16:00〜のデザートコース」
と言う情報だけで即申込みました。

スイーツだけで構成されたデザートコースを出して下さるお店はそう多くはありません。
1品で完結するプティガトーやアントルメ、会話の脇役となるアフタヌーンティーと異なり、フレンチやイタリアンで言うところの前菜からメイン、そしてデザートへ至るストーリーの組立てなど、ある種独特の世界観があるからです。

私が前回体験したデザートコースは神楽坂にあったCalme Elanと言うアシェットデセール専門店(現在は閉店。シェフパティシエの松下氏は京都RAUでご活躍中)で、6年前でした。
(このことも後でnoteに書いておこうと思います)

6年越しのデザートコース、もうそれだけでワクワクが止まりませんでした。
シェフの経歴など全く存じませんでしたが、これは迷っている間に満席になるなと確信し、即決で申し込んだ次第です。
純粋な食いしん坊の第六感が働いた結果でしたが大正解でした。

お店に伺う前にunisのシェフパティシエで、サロンドショコラに出店していたことなどは知りましたが、結局はそれ以上の事前情報なしで当日を迎えました。
会場のSocial Kitchenも聞いたことがなく、当日移動中に調べたくらいです。(そして案の定迷いました)

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前置きはこのくらいにして、素晴らしいデセールの数々をどうぞご覧下さい!

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La douce chaleur

長野県・須田農園のシナノゴールドの温かいスープ、フォームミルクとシナモン

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軽くカラメリゼしたシナノゴールドを温かいスープ仕立てで頂きました。
デセールコースの醍醐味の一つとして、温かいものは温かく、冷たいものを冷たく、そのデザートが1番美味しいタイミングで味わえる、と言う特徴があります。

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フォームミルクにパラリと乗せられたシナモンの香りで、アップルパイを食べているような濃厚なりんごの味を楽しめました。
ポタージュよりも濃厚で、スープと言うよりはピュレ状です。

(メニュー不記載)

佐賀県の白いちご「雪うさぎ」、白ワインのジュレ、ヨーグルトのパウダーソルベ

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糖度が15度と高糖度の貴重な白いちご。
佐賀ほのかの突然変異種を改良した品種とのことで、真っ白い果肉(本来は花托)と赤い粒々の種(こちらが果実)で「雪うさぎ」。ネーミングからして最高にキュートですね。
白いちごとは言え、品種によってはうっすらピンク色の「白いちご」も多いなかで、ここまで真っ白いのはとても希少です。

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その希少な白いちごが1人分3〜4粒?くらいと、プルプルと柔らかい食感の白ワインのジュレ、その上にパウダー状にサラサラで舌の上で儚く溶けるヨーグルトのソルベがかけられていて、まさに雪の中、ピョコピョコと飛び回る白うさぎを完璧に模しています。
脳内に雪景色が浮かぶ、まさにPAYSAGE。

Enchante

北海道日高町「流沙汰ほおずきの会」の鬼灯のソルベ、鬼灯のコンポート、胡桃のクランブル、マスカルポーネとクリームチーズ、東京都「横山園芸」のマリーゴールド

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手前から、サクホロとした食感が楽しい胡桃のクランブルに乗せた驚くほどに滑らかな鬼灯のソルベはほのかな酸味と優しい甘さ、そして後味にトマトのような青さを感じ鬼灯の野菜感が僅かに残ります。
奥にはマスカルポーネとクリームチーズを合わせたクネルに鬼灯のコンポートとマリーゴールドの花弁を散らしています。
このコンポートがまた素晴らしく美味しい!
ソルベにはない鬼灯の種のプチプチした食感ととろりとした果肉感がマスカルポーネとクリームチーズと合わさり絵も言われぬ美味しさ。
マリーゴールドは強い香りが特徴ですが、エディブルフラワーではさほどでも無く、花弁のほの苦さと鬼灯の香りを引き立てています。

Douceur

エクアドル・ノエルベルデ産アリバ種カミーノベルデ70%のレース、エスプーマ、グラス、クランブル、ビスキュイ、カカオニブ、極薄チュイル

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バレンタイン月間と言うこともあってか、チョコレート尽くしの一皿。
希少なアリバ種のカカオを使用したカミーノベルデ70%を使ったエスプーマの上にチョコレートのクランブルとビスキュイを乗せ、出来たての同グラス(アイスクリーム)とその上にフィアンティーヌのような極薄のチュイルを乗せてあり、パリパリと砕いてグラスやエスプーマと一緒に頂きます。

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このカカオポッドを乗せている木の台は浅草で購入されたとのこと。
(どこで購入されたのかめっちゃ気になる!)

このパリパリのチュイルと出来たてのグラスが!!
アイスクリームは冷凍されているので日持ちもするし、市販品は賞味期限の記載が無いくらいなのですが、この!出来たてが!!最高に美味しいんですよ!!!
この儚さと滑らかさと美味しさ!
是非一度体験して頂きたい!
(麻布十番に出来たてアイスクリームを出すお店があったのですが閉店してしまったそうです、残念…)
この出来たてグラスが溶けにくいように、これだけカトラリーが木のスプーンだったことも書き添えておきます。

Sphere

ミニャルディーズ(ミルクティームース、苺のタルト、ケークショコラ)

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手前から、ミルクティームース、苺のタルト、ケークショコラ。
ミルクティーの紅茶が濃厚で、一口サイズなのにとても満足感がありました。香りがとても良かった!
タルト生地はビスキュイのようなクラシカルなほわっとした生地で苺の酸味と甘さと好相性でした。
チョコレートコーティングされたチョコレートケーキ、中にカカオニブが入ってしっかりと香りが感じられてる食感のアクセントも素晴らしかったです。

Richesse

Les Feuillers bluesの紅茶「Celebration」

日本人ティーブレンダー熊崎俊太郎氏によるブレンドティー。この紅茶も素晴らしく美味しい紅茶でした。
日本の軟水に最適化したブレンドなのだとか。
都内ではアニヴェルセル表参道やトシヨロイヅカ東京で頂けるようです。オンラインショップもあるので利用したいです。

器も素敵なものばかりで見惚れました。

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有田焼の吉右衛門窯の特注品。
泡立てた釉薬を乗せて焼いた模様だそうです。
チョコレートのグラスを盛りつけた器は朝顔を模したものだそうで、こちらも有田焼でとても素敵でした。


一皿目のりんごから最後の紅茶まで、どれも素晴らしく最高に楽しい時間となりました。

江藤シェフ、ありがとうございました。

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お店を出る前にシェフと少しお話出来たのですが、そこでやっと前職が銀座ティエリーマルクスのシェフパティシエであったことを知りまして、小泉敦子シェフが「よろしくお伝えください」とおっしゃっていらした意味をようやく理解した次第です。(失礼致しました)

道理で予約困難な訳です…
私の第六感GoodJobと言いたいですね。

次のPrintemps(春)コースはすでに満席のようですので、次にまた伺えるのはいつになるかわかりませんが、季節毎のメニューを味わいたいです。

そして、どうでもいい情報なのですが、シェフのコックコートの左腕の小さなポケットにピンセットが挿してあり、盛付けの際にサッと取り出して使われていたのがとても素敵でした!

こう言った贅沢な食事は基本的に1人で予約してニヤニヤしながら黙々と食べて満足して帰宅、と言うことがほとんどなのですが、今回ミラクルが起きまして。

なんとTwitterで相互フォローしている方と偶然お席が向かい同士になり、1人黙々と食べるより5倍は楽しむことが出来ました。
(シェフから、最先端の空調設備を完備しているので多少の会話OKとのお話がありました。)

しかも、翌週お目にかかる予定だった方だったので、思いがけず事前にお目通りが叶って益々次回のお約束が楽しみになりました。
ありがとうございました!

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