片栗粉と小麦粉の使い分け、どうしてる?
とろみをつけたり、お肉や魚にまぶしたり、お料理に欠かせない片栗粉と小麦粉。
どんな時にどちらを使うか決めていますか?
どちらでも良さそうな時はどちらにしていますか?
レシピを見て作る時はレシピ通りに使えばいいのですが、たまたまどちらかだけ切らしていたり、似たような使い途の場合、どちらにしたらいいのでしょうか?
もちろん、お互いを代用することも可能なのですが、それぞれの特徴を知っておくと迷わずに済みますので、目安としてご覧下さい。
汁物のとろみつけ
一番出番が多い用途としては、スープや汁物のとろみつけでしょうか?
和のかき卵汁や中華の卵スープなど、透明感のあるスープには片栗粉を使います。
ポタージュやチャウダー、シチューなど乳白色の汁物のとろみは小麦粉を使います。
仕上がりの色の違いが一番わかりやすいのですが、片栗粉でとろみをつけると時間経過とともに食材から出た水分などで状態が変化しやすいため、作ったその食事やその日のうちに食べ切るものに使うと覚えておくと良いでしょう。
シチューやカレーはたくさん作って翌日も食べることが多いですよね?
そういったものは小麦粉でとろみをつけるのが向いています。
食材にまぶす
カリッとした食感を出したり、食材の水分を逃がさないためにお肉やお魚に片栗粉や小麦粉をまぶすことがありますよね。
そんな時は、どちらを使えばいいのでしょうか?
ちょっと難しいですね。
茹でて取り出す場合は片栗粉、そのまま煮る場合は小麦粉が向いています。
ここでも仕上がりの違いで覚えるとわかりやすいです。
中華の「水晶鶏」と言うお料理は鶏肉に片栗粉をまぶして茹でたものですが、鶏肉にまぶした片栗粉がつるつるプルンと輝いて水晶のように美しく仕上がります。
この時に、片栗粉の代わりに小麦粉を使ってしまうと透明感のある艶やかな仕上がりではなくなってしまいます。
鮭などのお魚やお肉に粉をまぶして焼き、水や牛乳を入れて作るクリーム煮などはとろみが安定しやすい小麦粉の方が向いています。
炒めもののお肉やお魚にまぶすのは片栗粉がおすすめです。一緒に炒めた野菜から水気が出ても、片栗粉の保水力でシャバシャバにならずに済むからです。
酢豚や青椒肉絲など、中華の炒めものには片栗粉、と覚えておくと良いですね。
また、魚の切り身や鶏むね肉に小麦粉をまぶしてカリッと焼きタレを絡めると、身がパサつかず照焼きなどが失敗なく美味しく作れますので、焼いてから味を付けるお料理には小麦粉がおススメです。
焼きものや炒めものは、仕上がりに大きく差が出ない場合が多いので、どちらでも大丈夫なケースが多いです。
唐揚げ
みんな大好き鶏の唐揚げは片栗粉と小麦粉、どちらが良いのでしょうか?
片栗粉だとサクサクした食感、小麦粉だとカリッとした食感に仕上がりますので、好みで選んだり両方使う方も多いですね。
唐揚げを油で揚げずにオーブンやグリルで焼いて作る場合は小麦粉よりも片栗粉が向いています。小麦粉だと火が通りきらず粉っぽく残ってしまうことが多く、食感が出にくく感じました。
片栗粉と小麦粉の違い
片栗粉と小麦粉の違いは、そもそも原料が違うこともありますが、大きな違いはでんぷん量です。
片栗粉やコーンスターチなどはほぼでんぷんですが、小麦粉はグルテンなどのタンパク質も含まれます。
ここが仕上がりに差が出る原因なんですね。
加熱してとろみがつくことを「糊化」と言いますが、片栗粉はでんぷんだけなので透明感のある仕上がりに、小麦粉はタンパク質が含まれるので乳白色の仕上がりになるのですね。
タンパク質の塊の卵白は透明ですが、加熱すると白くなるのをイメージして頂くとわかりやすいかと思います。
仕上がりが乳白色になっても味には大きな差がないと判断すれば、どちらを使ってもかまいません。そこを踏まえておけば、小麦粉の代用に片栗粉を、片栗粉の代用に小麦粉を使っても大丈夫です。
米粉は代用になる?
とろみのついたスープやシチューなどで「小麦粉不使用」と書いてあるレシピをよく見ると、片栗粉や米粉が使われていることがありますね。
米粉は片栗粉や小麦粉の代用に使えます。
米粉も炭水化物(でんぷん)だけでなくタンパク質が含まれますので、透明感を出したいスープなどには小麦粉と同様に不向きと覚えておくといいでしょう。
離乳食には注意が必要
とろみをつける食事と言えば、離乳食と介護食。
介護食の場合はそんなに問題になりませんが、離乳食の場合は赤ちゃんに小麦アレルギーの可能性があるので、離乳食初期から中期のとろみつけには小麦粉よりも片栗粉を使う方が安心です。
もちろん、小麦アレルギーがないことがわかっていれば小麦粉を使ってとろみをつけても大丈夫です。
片栗粉と小麦粉の特徴を知っていれば、代用してもいいか、買いに行った方がいいのかの判断が出来るようになりますよね。
お互い代用が出来ることはわかっていても、和食の銀あんは見た目も大切なので片栗粉を使って欲しいですね。
片栗粉と小麦粉の使い分けでもう迷わずに済みますように!
こちらは使い分けと代用の続編です↓ 併せてご覧下さいませ。
試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!