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鮭を一尾、丸ごと食べ尽くす!

dancyu12月号の特集が「鮭とサーモン」ですが、鮭の旬は盛りを過ぎて名残ももうそろそろ終わり…
遅い!遅いよdancyu!!

…そうではなくて。

dancyuで特集される程、鮭は人気なのですね。
某流通大手のお手伝いをさせて頂いているのですが、鮭が年々獲れなくなっており原料原価が上がり続けているため、値上げせざるを得ないんだそうです。

そんな、人気の鮭ですが、皆さんどうやって召し上がってます?
塩焼き?ムニエル?
パッと思いつくのはそれくらいでしょうか?

私もその程度の認識だったのですが、お魚の師匠に捌き方を教わったら、実は鮭って「捨てるところがない」と言われるほど、隅々まで美味しく食べられるお魚だと言うことがわかったのです。

今回は、雌(いくらが目当てですので)の銀聖を師匠に手配して頂き、一尾丸ごと、食べ尽くしました!

まずは肝心の鮭を仕入れにお世話になっている師匠のお店がある豊洲市場の仲卸棟へ。
(写真は卸売棟です)

飲食店のお客さんが落ち着く9時以降に伺っています。
築地と違って見学用のギャラリーがあり、買い物をしない人はこのギャラリーから卸売棟の様子を見学しますが、売り場に続くエスカレーターの前には見学者が勝手に出入りしないように警備員さんがいます。
売り場は整然と区画され、通路の幅は築地より広いのですが、ターレや荷台がひっきりなしに行き交う様子は築地と変わりません。
活気があって、真剣勝負の場に特有のピリピリした空気が流れています。師匠に事前にお願いしておくので、お支払をして品物を受け取りサクッと撤収し、他の食材や調理器具一式と会場へ搬入しました。

搬入したら、早速仕込みを開始します。
野菜を切って下ゆでしたり、レモンのスライスを用意したり。鮭の鱗も落としておきます。

さて、ゲストが集まったらいよいよ真打ち登場!鮭を捌いていきます。
まずはエラを落として、お腹を開くと「おぉーっ!」と歓声が上がります。

プリップリの筋子が出てきたら、自然と声が出しまうものです。

筋子とワタを取り出し、下処理に時間のかかる氷頭を切り出し、頭を食べやすい大きさに切り揃えて、本体は一旦小休止。

筋子をほぐしてイラクにします。

筋子がほぐし終わったら、味を付けて漬けておき、残りの身を捌いて切り身にしました。

お品書きはこちら

・いくら塩漬け
・いくら醤油漬け
・カマ焼き
・ハラス焼き
・氷頭なます
・肝のパテ
・心臓のポン酢和え
・胃袋の湯引き
・めふん
・はらこ飯
・ちゃんちゃん焼き
・鮭とブロッコリーのクリーム煮
・焼き漬け
・ムニエル
・照り焼き
・フライ
・粕汁

何と、実に17品…
加熱調理は皆さんにお手伝い頂き、面白いくらい次から次へどんどん出来上がりました。

ある程度出来上がったら、残りは私にお任せ頂き、盛り付けて召し上がって頂きました。
その間に、フライを揚げて、揚げたてを召し上がって頂きました。コレも「身がふわっふわで驚きました!」と大好評でした。
揚げたての揚げ物は最高ですね!

正直、こんなに品数多く作るつもりは無かったのですが、思いの外切り身がたくさん取れたので、思いつくままに作った結果、こうなりました…
参加された皆さんと相談しながら決められるのが、ライブクッキングの良いところですね!

アラや肝は他にも食べられる魚が多いのですが、特に「捨てるところがない」と言われる所以は、頭の鼻すじにある軟骨の氷頭(ひず)をなますに、血合(腎臓)をめふんにするところでしょうか。
(↓氷頭なます、当日の写真ではありませんが)

また、魚の肝は煮付けにする事が多いのですが、食に貪欲な友人(褒めてる)の提案でパテにしました。これが大ヒット!!

今回手配してもらった鮭は肝が大きく新鮮プリプリだったので、味付けも簡単にしました。

ご参加の皆様から
「肝とかめふんとか食べられるの知らなかったのですが、どこへ行っちゃうんですか?」
と、ごもっともな質問が。

魚のワタ(内臓)は傷みやすく、量が確保出来ないため、お店ではメニューとして出せずほとんど捨ててしまいます。
お魚を丸ごと仕入れているお店なら事前に頼んでおけば出してもらえるかも知れませんが、手間がかかってお店の負担になるのでお勧めしません。
自分で捌いたご褒美みたいなものと思って、是非お魚をさばけるようになって欲しいですね!

とは言え、私もいつも尾頭付きの魚ばかり買っているわけではありません。
疲れていたり、時間が無かったり、翌日が可燃ゴミの日じゃなかったりしたらお魚を選ばないことも多いです。

ですから、お魚屋さんと上手く付き合えるようになると良いですね、とお話しています。
今時のスーパーは鮮魚コーナーで魚を選ぶと、担当の方がたいてい無料でお好みに調理してくれます。(時間帯によっては受けてもらえない事もあります)
お刺身、煮付け、焼き物、など、どんなお料理で食べるのかを伝えましょう。
三枚下ろしや筒切りなど、その調理方法に合った処理をしてくれます。
ある程度自分で捌けるようになったら、「鱗とワタだけ取って下さい」や「三枚におろして、アラも下さい」など、指定するのもアリですよ。

もちろん、その魚に合った調理方法が分からなければ、それも教えてもらえます。魚好きな人や魚を売る人は、魚を食べたい人に親切なんです。これは間違いありません。

しかも、今回は鮭の美味しさを実感して頂きたくて、出汁を一切使っていません。粕汁も鮭と酒粕、みそ、野菜の旨味だけ。昆布すら入れていません。
クリーム煮やパテにも顆粒コンソメの素は入れていません。
そもそも今回用意した調味料が、塩、醤油、みそ、みりん、酒、米油、バターだけ。(なますの甘酢、ポン酢を除く)

これには皆さん驚かれていました。食材は、それ自体に旨味や美味しさを持っているので、実はシンプルな味付けだけで充分に美味しく食べられる事がほとんどなんです。素材の味を活かす、と言う事ですね。

鮭一尾、まるっと美味しく頂きました。
ご馳走さまでした!

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0歳からの親子向けお料理と食育の教室「食育教室おやこキッチン」を主宰。自他共に認める食いしん坊。食べるためにひたすら歩く。魚食推し。掃除は苦手。http://oyakokitchen.com

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