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「子供にも家事を任せましょう」と言う理由を説明します

私の専門は家庭料理、その中でも特に「子供に料理と食に関する知識と技術を伝える」ことに特化して、仕事や活動をしています。

そう言った活動をしていると、どうしても毎日の食事の支度や料理に関する困難さと向き合うことも多く、その解決策をご提案するために家事シェア講座をひらいたり、子供への家事分担の仕方などをご紹介したりしています。

もちろん、家事シェアはそれが出来る大人の間でシェア(分担)するのが基本ですが、それだけを「家事シェア」と言ってしまうのはちょっと足りないんじゃないかと思うのです。

そもそも、家事をやらずに大人になった人が多いから家事の一極集中が起こり、家庭内でモヤモヤしたり、パートナー間で上手く意思の疎通が出来ず困っている方が多いのではないかと思うのです。自分が家事をすることを「当たり前」か、パートナーに対して「やってあげている」と思うかどうかの価値観の違いは、育ってきた環境(自分ではない誰かがやっていた)に由来すると思います。
ですから、子供の頃から家事は「家族みんなで分担して助け合うのが当たり前」の環境で成長していく事が望ましいと考えています。
我が家がそうでした。
両親が自営業の共働きだったので、小学生くらいから子供達それぞれに「雨戸を開ける」とか「お風呂をわかす」とか「洗濯物を干す、取り込む」などのちょっとした家事分担が割当てられていて、子供でも家事をするのが当たり前の環境で育ちました。
おかげで大学入学までに基本的な家事は一通り出来たので、入学と同時に一人暮らしを始めても何も困りませんでした。

この話を知人にしたところ「子供にまで家事労働をさせるのはどうなのか」と言われたのですが、もちろん出来ない事を無理にやらせる必要はありませんし、「家事」が「労働」と言う認識があるからこそ、家族と言う最小の社会でお互い気持ちよく過ごすために協力し合うことを幼い頃から教え伝えていくべきだと思いました。

特に今時の子供達は習い事や塾通いなどで本当に忙しいので、きっとそんなことをやらせている暇は無いと思われる方も多いと思います。

ですが、その結果が、家事負担への想像力の欠如から来るポテサラ騒動であり、「家事なんて2時間もあれば全部終わる」みたいな発言になるのです。
やったことが無い事は、どんなに大変な事なのか想像が出来ないからです。一度だけやってみて簡単に思えることでも、毎日つつがなく続けるのはとても大変です。

また、子供に家事を任せることは、ただ保護者の負担を減らすためだけではなく、子供達自身の成長の助けにもなるのです。この視点が先の知人には欠けていたように感じます。

例えば、食事の前に食卓を拭くとか、汚れやゴミに気付いたら都度掃除する、など自然と体が動くことで社会に出てからメリットになりますし、下世話な話ですが、小学校受験で雑巾絞りをさせる学校もあると聞きました。
もちろん受験などしなくても、雑巾絞りが出来るということは、しっかり雑巾を握れること、左右の手を反対方向に動かすこと、雑巾からたれる水滴の方向を予測して腕の角度や落ちた水の行き先に注意して床が汚れないようにすること、など一連の動作が含まれます。保護者の皆さんが大好きな「知育」です。

このように、家事作業には子供の心身の発達を助ける動作や思考の練習になる事がたくさん含まれています。
ご自身でなさった方が早い、と言うのはごもっともですが、任された子供は「大好きな保護者の役に立てている」ことが、大人が思っている以上に嬉しいことですし、家事を任されることで自己肯定感を高める効果も期待できます。
これを10歳以降の思春期の子供に急にやらせようと思うと、家族より友達や家族外のことを優先し始める年頃なので反発を買います。
だから、なるべく小さなうちから、少しずつ家事を任せて「家事をするのは当たり前のこと」と認識するようにするのが大切です。

さて、説教くさい話はこのくらいにして、では何歳くらいからどんなお手伝いが出来るか、ご紹介します。
例として挙げた家事は、必ずしもその年齢になったら絶対出来ると言うものではないのでお子さんの成長に合わせて出来ることから始められるとよろしいかと存じます。

【3歳〜】
・カーテンの開閉
・新聞を取ってくる
・靴を揃える
・ゴミを拾う
・ゴミ箱のゴミを集める
・野菜を洗う
・キャベツやレタスをちぎる  など

【6歳〜】
・お風呂をわかす
・洗濯物を干す、取り込む
・フローリングワイパーで床掃除する
・上履きや靴を洗う
・簡単なお使い
・食洗機を使ったお皿洗い
・炊飯器でご飯を炊く
・レンジ調理でおかずを作る    など

【10歳〜】
・トイレ掃除
・お風呂掃除
・玄関や庭先の掃き掃除
・お皿洗い
・お使い
・掃除機をかける
・簡単なアイロンがけ
・おかずを1〜2品作る      など

【13歳〜】
中学生以上になれば大人のやっている家事のほとんどが出来るようになります。ただ、急に言ってもすぐに出来るようにはなりませんので、少しずつ頼むようにしましょう。

え、そんなこと任せられるの?と思われましたか?
子供って、大人が思ってる以上に色々なことが出来たり出来なかったりします。個人差がとても大きいのです。
だから「まだ子供だから…」とやらせないのではなく「今の成長段階ではどの程度出来るのかな?」と様子を見ながらやらせて、問題なく一人で出来ることなら任せましょう。
大人のサポートが必要なことなら、サポートしながら練習させて、いずれ一人で任せましょう。

いかがでしたか?
子供に家事を任せると、短期的には余計な手間や作業や時間がかかるかもしれませんが、長期的にはお互いメリットしかありません。

是非、お子さんとも少しずつ家事シェアしてみて下さいね。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!