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8年目の木桶仕込み:木桶の素晴らしさを伝えたい

今日は年に一度のみそ仕込みの日でした。

教室の恒例行事として開講当初から毎年開催している人気の講座で、自慢の木桶もだいぶこなれて来ました。
木桶には麹菌が住みつき、独特の風味や香りのみそが出来るのです。

「寒仕込み」と言う言葉の通り、寒い時期に仕込んだお味噌は低い気温の中でゆっくりじっくり発酵が進み、失敗なく美味しく出来上がります。

ジップ袋やタッパーなどで気軽に出来る味噌作りワークショップも人気ですが、私の教室では椹の木桶にみんなで一緒に仕込んで、出来上がりを一年後にお渡ししています。

本来、味噌や醤油などの塩分の多いものの仕込みに使う桶は杉の板目(気温や湿度により膨張・収縮して漏れにくい)が適しています。当時たまたま手頃な木桶が手に入ったのでそれを使っているのですが、その桶が椹で柾目(狂いにくい)だったのです。椹の柾目の桶は、本来の用途としては漬物用だそうです。買い足す機会があれば、今度こそ杉の板目桶を買う予定です!詳しくは、毎年大豆と麹をお願いしているマルカワ味噌さんのホームページをご覧下さい。

(若干勘違いをしておりましたが)
木桶で仕込んだみその美味しさを体験して欲しいのと、また教室に来て欲しい、またこの体験を思い出して欲しいとの思いがあり、毎年このスタイルで開催しています。

全国的に木桶を使う人が減ったため作る職人さんも減っており、小豆島にあるヤマロク醤油さんの木桶職人復活プロジェクトを陰ながら応援したく、木桶で仕込んだみその美味しさを味わって頂いています。

まずはみその材料と作り方を説明しました。

(左から)
売っていた大豆
一昼夜浸水した大豆
柔らかく茹でた大豆

乾燥した状態ではまん丸に見えるのに、浸水した後は長丸くなるのが不思議ですよね。

事前に一昼夜浸水しておいた大豆を、親指と薬指または小指で簡単に潰せるくらいまで柔らかく茹でておき、潰す作業からのスタートです。

今年は時節柄か、キャンセルが多く少人数での開催となったため、例年手作業でしていた大豆を潰す作業をミンサーやフードプロセッサーを使用して行いました。

潰し終わったら塩と麹もよく混ぜて、耳たぶくらいの柔らかさに調整します。

ムラなく混ぜられたら、桶に詰めます。
みそ玉を作って空気を抜き、空気が入らないように投げつけて詰めるのは子供も大人も楽しい作業ですよね。

仕上げに詰めた面を平らに均して、晒しの布とラップでフタをしてから重石を乗せ、虫が入らないようにビニールをかけてしっかり紐をで密封します。

これで仕込みの作業は完了です。
仕込みが終わったら、お待ちかねのご試食タイムです。

今回は、仙台、秋田、信州、江戸、越後と昨年仕込んだ出来上がりの教室のみそを食べ比べて頂きました。

みそをそのままでは食べにくいので、実家産コシヒカリをお櫃に入れておいたお櫃ご飯のおにぎりと、野菜スティック(きゅうり、大根、人参)で召し上がって頂きました。
おみそを塗ったみそおにぎり、とても美味しいんですよ!是非お試し下さいね。

みその種類は色々ありますが、名前が地名の理由などもお話しして、お好みのみそをお持ち帰り頂きました。

教室のみそを気に入って下さり、一年後が楽しみです!との事で嬉しかったです。

住宅事情などもあり、木桶での味噌作りはなかなか難しいかも知れませんが、木桶で仕込んだみその味は伝えていけたらと思います。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!