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サーチャーが抱える3つのリスク(1/3)_投資先が見つからない_コラム012

はじめに

このコラムは事業承継先のサーチ活動を続ける筆者が、日々感じたことを徒然に記録するものです。サーチファンドについて体系的に知りたい方はこちらをご覧下さい。

サーチ活動の何が「大変」なのか?

この活動をしているとときどき「大変ですね」とか「勇気を出して飛び込みましたね」と言われることがあります。

サーチ活動を始める前、この活動の「大変さ」についてはある程度覚悟はしていました。そうした不安があるからこそ、アクセラレータである㈱サーチファンド・ジャパンからの正式な支援を元にスタートした訳ですが、具体的にあ何がどう大変なのかについて少し考えてみたいと思います。

大変=リスクが大きい、という解釈でここでは話を進めます。

サーチ活動が「成功」というゴールにたどり着くまでに、どんな落とし穴があるのか。ズッコケやすい落とし穴のことをリスクとした場合、それは次の3つに分解できると思います。

■買収先を見つけられない
■買収プロセスが完了しない
■買収先企業を成長させられない

この3つはこれまで何度か引用しているスタンフォードGSBによるサーチファンド入門にも同じ趣旨のことが言及されてます。ある意味で当たり前と言えば当たり前ですがじっくり1つ1つに考えてみるとのこのコラムのネタとしては良いかなと考えて取り上げることにしました。

今回から3回に分けて1つ1つについて考えてみたいと思います。まず1つ目は「買収先を見つけられないリスク」です

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サーチャーは探索にどこまでの時間をかけるのか

「買収先を見つけられないリスク」があるなどというと、当たり前だろうという方が多いと思います。実際に私が一番恐れているたがこれでした(今もそうですが)。自分にはソーシング伝手がほぼ皆無だったので、ゼロからの探索は難しいだろうなと思っていました

一方で後継者に悩む企業が沢山いらっしゃることはゆるぎない事実であり、そうした企業オーナーさんにとって第三者承継は1つのオプションとしてあることも事実です。

サーチファンドはあるかどうか分からない出会いを無作為に探すのではなく、間違いなくあるものを、いかに自分に引き付けて実行できるかが勝負です。

つまり企業が見つかるかどうかは、確率が高いか低いかという点に絞られる訳です。実際に日本では後継者探しをしている母数は多いはずですが、どのくらいの確率で最終的にゴール出来るのか(正確には買収成立はスタートなのですが、ここでは話をサーチ活動の前半戦に絞ります)。

残念ながら日本ではでは実際にサーチャーはどのくらいの企業にコンタクトを取るのでしょうか。いつもの通り海外の先行事例から引きます(いつか日本を定量分析できる日が来ると良いのですが)。

下記はシカゴ大学のブースビジネススクールの論考からの抜粋です。書かれたのは2016年11月なのでやや古いですが、大まかな趨勢は変わっていません。ここでサーチャーが企業を探すためにコンタクトを取る実数とその歩留まり率の図が出て来ます(そのまま画像で抜粋します)

無題

日本に訳してみると以下の通りです。

5,000社:コンタクト
820社:   接触あり       16%
85社:     初回面談       10%
10社:      買収意向表明書の提出   12%
3社:            〃    に署名  30%

この実数や歩留まり率は出展によって多少異なるのですが、大きな

アクセラレータ経由でのコンタクトだから出来ること

Outreach e-mails sent, through proprietary sourcing とある通り、自分の独自ルートもあるでしょうが、ブローカーと呼ばれる企業売買の仲介をしている企業からの紹介も含みます。

5,000件というと多いと思われるかも知れませんが、実際にそうしたブローカーに自分のレジュメや希望業界、サーチファンドとしての目論見などを伝えて、そこからブローカーが持つルートにアタックして貰えれば、必ずしも積みあがらない数字ではないように思います。

1件1件に電話をかけたり、ハガキや手紙を送ったり、メールの送信ボタンを繰り返して合計5000回、というような姿をイメージされるのではないかと思いますが、実際はそうした様々なルーツを辿るのが現実的ですし、日本でも同じだと思います。

人間のつながり

自力での地道なコンタクトも

ただし。

これは自戒を込めて申し上げますが、自分で探す努力は怠ってはならないと思います(自分に言い聞かせています、はい)。

とくに優秀なブローカーの伝手があるサーチャーは(そんなサーチャーなかないないのが現実ですが)、そうしたものに依拠し過ぎるきらいがあるかも知れません。

ということで、このコラムをお読みになって、事業承継をお考えの方、後継者をお探しの経営者様をご存知の方がいらっしゃったらご連絡下さい。

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