時の人

前々回コロナウイルスが世間を揺るがせていて自分の周り、ましてや自分がかかっていないので実感がないという話をしたがまさか本当にかかってしまうとは思っていなかった。

前回始まりを書いたのでざっくりと書いておくと、嗅覚と味覚がなくなっていたが花粉症だと考えていて耳鼻科に行ったらPCR検査を受けてくれと言われた。

そして検査当日、病院の前に検査ブースができていて検査はプレハブ小屋みたいなところにマスクとフェイスガード付けたおじさんがいた。
おじさんは淡々と検査の説明をして早速細い綿棒をゆっくり僕の鼻にぶち込んできた。

いや思ったより深いし痛いんだけど！！

なんかおかげで検査から3日たってるけど鼻血二回も出てるよ！おじさん！
涙腺を刺激されるような感じなので普通に涙が出てきた。最近彼女がかまってくれない寂しさでついでに大粒に変えてやろうかと思ったけどそれより前にくしゃみが止まらなくなったのでそれどころではなかった。
検査の結果は3日から4日ほどで出るという。いや遅いわ！と思いながら家に帰ってまた自室にこもることになった。

そして一日後の夕方、友達とzoomをしながらゼルダの伝説をしていると母親から
「陽性」
とのLINEが入った。
実際には嗅覚も味覚もないので陽性なの？って驚きよりも陰性であってくれっていう希望的観測が叶わなくて残念だった。

問題はここからだ。保健所から連絡が来て、一週間前までの行動確認と濃厚接触者の有無。バイト先に度重なる電話。とにかく大変だった。濃厚接触者に僕の彼女がなってしまい、彼女と彼女のお母さんに謝罪の電話。バイトの店長からくる大丈夫だという長文LINE。しかもバイト先は2週間閉店。因みに僕はまだ研修中でお客さんとは接していないため、一切戦力になっていない。彼女も最低限の自粛しなければならないためバイトがつぶれ、家族も濃厚接触者になるため自宅謹慎。

そう、罪悪感がえぐすぎるのだ。やばすぎる。
自分に味覚や嗅覚がないだけの症状だから実感がほとんどない。だからこそ罪悪感がえげつないのだ。

そんなこんなで今日アパホテルで療養一日目が始まった。
スタバ、罪悪感でそうそうにやめたい...

　　　　　　　　　　　　　　　　　　                   2021.3.20