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ブラジル版「民藝のある暮らし」~ うつわ

「民藝のある暮らし」を積極的に取り入れるようにしています。

味気のない工業製品に囲まれた暮らしよりも、職人の知恵や手仕事のぬくもりが感じられる民藝品のほうが、毎日の生活に彩りを与えてくれると思うからです。そして、昔から受け継がれてきた技術と知恵が今後も保存されるためにも、それらを購入することで、ささやかながら手仕事の応援をしたいと思っています。

そこで今回は、ブラジル版民藝のある暮らし、うつわ編をまとめてみることにしました。

ブラジルの民藝の特徴

ブラジル民藝の特徴は、同国の文化形成と同じで、先住民の生活の知恵とポルトガル人の知恵とが混ざり合い、そこにさらにアフリカ人やその他のヨーロッパ移民たちの手仕事が加わって出来上がったものです。

ですから、世界のいろいろな所から来た人たちで構成されている国ならではのハイブリッドな民藝なのです。

例えば、ブラジルの針仕事の起源の多くはヨーロッパですが、その土地で使用できる素材に適応させた結果、オリジナルとは異なるブラジル独自の仕上がりになっているものもあります。また、ヨーロッパにはもう存在しないけれど、ブラジルで生き残った技などもあります。

編みカゴや木彫りなどは、同じポルトガル語圏のアフリカの国々のものとの共通点が認められます。

民藝から歴史的に人の移動があったことを実感したりもできます。

また、自分たちの文化と生活様式を維持している先住民たちの民藝もあります。こちらは、彼らの生活様式から生まれた品々、つまり儀式などで使用される物から日用品などです。

ここ20年の傾向として、デザイナーと職人のコラボ商品も増えています。ブラジルの民藝は、せっかく技術があってもデザインの面で魅力に欠けることがあるので、デザイナーの協力を得て、ビジュアルを改良し、成功しているケースも多くあります。

うつわ

ブラジルの器は、陶器だけではありません。ココナッツの実や瓢箪などの植物も使用します。

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先住民たちは、クイアと呼ばれる瓢箪をうつわにして、お椀にしたり、川水を組む容器にしたりと、いろいろな用途で使います。また、アマゾンでは、郷土料理「タカカ」を食べるときは、クイアに入れて食べるのが一般的です。

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残念ながら食器類は、工業製品でほとんど占められていますが、土鍋や石鍋など郷土料理に欠かせない料理には、今も職人が作った鍋が使用されます。

また水差しも手仕事のものが人気です。モリンガと呼ばれる蓋つきの水差しなのですが、オーソドックスな形のものから作り手の感性が反映されたアーティスティックなものもあり、コレクションする人もいます。民藝の水差しが一般によく好まれるのは、水の新鮮度が保たれ、美味しいからだそうです。

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鳥(?)の水差し

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