熱が出たので、Bing AIに治してもらった
今、世の中を賑わせている「対話型生成AI」。ChatGPTが有名ですが、それ以外にもMicrosoft社のBingAIやGoogle社のBardなんかもよく使われていたりします。
僕は薬剤師であり、医療ヘルスケア分野の会社の起業準備中でもあるため、この対話型生成AIが、どう使えるのか実験してみたいと思っていたところ、ちょうど運よく?熱が出たので、早速チャレンジしてみました!
(ほんとつらかったので、勘弁してほしいです笑)
※注意:最終判断は薬剤師である自分がしているので、全てそのまま信じないように!
使用するAIとプロンプト
今回使用するAIは「BingAI」にしました。理由は3つで、
①最新のGPT4が無料で使える
②検索エンジン上の情報も反映できるため最新の情報が得られる
③検索エンジンから情報反映できるので、情報の出どころがわかる
という点になります。
続いてプロンプトをどうするか。僕は生成AIのプロではないので、一般的に医師や薬剤師に与える情報を、下記のようなプロンプトにまとめてみました。
その道のプロからすると
「もっといい指示の出し方がある」「そのプロンプトじゃ問題外」
と思われてしまうかもしれませんが、許してくださいな。
今回Bing AIで使える3つのモード
より厳密に:簡潔で単刀直入なチャット
よりバランスよく:情報豊富で親しみやすいチャット
より創造的に:オリジナルで想像力に富んだチャット
それぞれで同じプロンプトを試してみました。
厳密なAI先生のアドバイス
まずは単刀直入と噂の、「厳密AI先生」にアドバイスを求めてみました。
まず目についたのは、
「私は有名な内科医ではありません」
って笑
なんかポジション指定した僕がバカみたいじゃないですか!
回答はというと…非常に当たり障りのない感じですね。参考文献を見てみても、Googleで上位に出てきそうな記事からの引用なので、検索結果のおまとめパックみたいな感じです。
取るべき行動を聞いているのに、ぼやっとごまかされている感じがムズムズします笑
AI相手にむきになって、さらに質問してみましたが、一切明言してくれませんでした。
厳密AI先生は、専門家への相談を終始勧めてくる結果となりました。
※まあ、言っていることに間違いはなさそうなのでとりあえずは合格
バランスの良いAI先生のアドバイス
続いて「バランスAI先生」に相談してみたいと思います。
「お大事になさってください」この一言がAIの進化を感じますよね。
ちゃんと提示した症状をもとに、
「風邪やインフルエンザなどのウィルス感染が考えられます」
といった意見や、
「OTC医薬品としては、アセトアミノフェンが一般的に使われます」
など、こちらの求めていた飲むべきOTC医薬品の候補も出してくれました。
その後も、副作用の注意、使用上の注意もちゃんと呼びかけ、受診勧奨まで!ここまでは、好感の持てる教科書的な対応です。
そこで、アセトアミノフェンの飲み方を聞いてみることに。
おー!用法用量を添付文書からしっかり引用してくるのは100点!
急性上気道炎の症状は提示してなかったので、用法用量もよいのではないでしょうか。(もちろん聞いてほしいけどね)
1日の限度量はしっかり伝えてほしかったですが、しっかり質問すれば問題ない点なので、良いでしょう。
最後に、常備薬にアセトアミノフェンがなかった時に、昔病院で頓服としてもらった「ロキソニン」が使えるかどうか聞いてみました。
ちゃんと年齢は提示しておくべきところでしたが、
バランスAI先生は、しっかりアドバイスをくれたうえで、受診勧奨もしてくれているので、アドバイザーとしてはなかなか良いのではないでしょうか!
創造的なAI先生のアドバイス
最後は満を持して「創造的AI先生」の出番です。
僕が普段、アイディアをブレストしたり、企画のお手伝いをしていただいている優秀な先生なので、ちょっと期待しちゃいます!
え!素敵なのでは??
コロナの可能性による自宅隔離指示、体調の一時的緩和、水分と栄養摂取の指示、それでもダメなら受診勧奨。
こっちの意図をしっかりと汲み取ってアドバイスをしてくれる、素敵な先生じゃないですか!!
信用できそうだったので、このアドバイスを受け入れてさらに質問してみました。
「検査キットで陰性だったとのことで、安心しました」
この一言がかけられるんですね!素敵!
アセトアミノフェンとNSAIDsの説明もばっちり。
このまま完璧かと思いましたが…
「あなたの場合、インフルエンザではないと思いますので」
…何故!?
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と、思っていたらチャットが止まって、新たな回答を出し始めました。
それぞれの説明だけでなく、OTC医薬品を使用する際の注意事項まで、しっかりアドバイスしてくれました。
最後も気を抜かず、しっかり用量を守るように念押ししてくれました!
3人とも素敵な先生でしたが、僕は創造的AI先生ファンです!
最後に
今回3人のAI先生にアドバイスをお願いしてみましたが、
想像している以上のアドバイス力でした。
次回の改善点としては、自分のステータスをしっかり入れること。
年齢、身長、体重など、より高精度なアウトプットが出せるよう、
そして皆さんも活用できるプロンプトが作れるように、研究してみます!
最後に、Twitterでも定期的に、薬剤師のためになる発信をしておりますので、フォローをよろしくお願いします。
おまけ
結局僕は、流行っていることもあり、
・インフルエンザの可能性も考慮し、「麻黄湯」を第一選択として服用
・次点で「アセトアミノフェン」による緩和
という選択をとりました。