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語順と語形のこと

文法において、「語」という単位をどのように配列すれば「文」になるのかを学ぶことは大切なことです。このときに、語順がより重要な言語もあれば、語形がより重要な言語もあります。

例えば、「私」という日本語の語があります。英語ではIかmeに対応します。Iは主語として用い、それ以外で用いるときにはmeを用います。「英語」という日本語の語があります。これに対応する語として英語にはEnglishがあります。Englishという語には主語で用いる場合とそれ以外の場合で語形の変化はありません。

日本語には格助詞と呼ばれる、語尾のような語があります。国語の教科書ではこうした語尾のような語のことを「付属語」として扱います。「私」や「英語」などの名詞に「が」や「を」といった格助詞を付けて、「私が」「私を」「英語が」「英語を」のような形にして文中で用います。一方の英語には日本語の格助詞に相当する語はありません。Iとmeのような使い分けはありますが、これは一部の代名詞だけに見られる語形変化で、普通の名詞にはこうしたしくみがありません。

日本語は名詞に主に格助詞「が」を付けて主語とします。名詞に主に格助詞「を」を付けて目的語とします。こうしてできた「私が」や「英語を」を動詞と組み合わせて「文」ができあがります。格助詞によって主語か目的語かが明らかなので、語順は固定ではありません。一方の英語には格助詞のようなものがないので、語順によって主語か目的語かを示します。動詞の左側にある名詞が主語で、右側にある名詞が目的語です。左か右かで意味が変わるので、語順の変更はできません。

私が英語を話す。
英語を私が話す。
I speak English.
English I speak.

英語において「名詞+動詞+名詞」という語順は、最も頻繁に用いられるものです。しかし動詞の意味によっては、動詞の右側に目的語が不要であったリ、逆に目的語が2つ必要であったり、目的語以外の要素が必要であったりする場合があります。これは動詞によって後に続く語句のパターンが異なるということです。もちろん、動詞のとるパターンを1つ1つ学んでいくのも一つの手順ですが、よく用いられるパターンを先に覚えておくのも有効な手順です。これが文型の学習です。

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