見出し画像

日本語だから楽勝、とはいかない話

大学入試における「英語」の試験問題には、何らかの形で日本語が絡むことがあります。多くの受験生にとって日本語は母語でしょうから、全部英語になっているのに比べたら圧倒的に楽勝!と思うかもしれません。

記述式の設問の場合

日本語で書いて解答する問題があります。和訳問題や内容説明問題、要約問題などがこれに含まれます。ここで大切なことは伝わる日本語で表現することです。解答に際して英文を正しく読むことは当然です。こうした設問では正しく読めていることを日本語を書いて示すことが要請されています。このため、日本文自体を誤読の可能性が生じないように書き表すことが求められます。100字を超える答案が求められる場合は、複数の文で答案をまとめる必要があります。日本語の1文の長さは50語程度までにするのが理想です。これより長くても表現の工夫で読みにくさを回避することがある程度は可能ですが、100語を超えると1文では苦しくなります。100語を超える日本文を要求する設問では複数の論点を含んでいることが多いので、1論点=1文でアウトラインを書き出してからまとめていく方が確実です。

選択式の設問の場合

日本語の選択肢が与えられていたり、本文の方が日本語の文章で設問が英語であったりする場合があります。これは日本語の文法や語彙などの選択権が完全に出題者や本文の原著者の側にあることを意味します。国語の現代文にもキーワード集が用意されているように、母語であればすべての日本語が正確に理解できるわけではありません。ふだん機械的な和訳しかしたことがない受験生からしてみれば、「そうでない日本語」が英語と適切に対応するものなのかどうか、うまく判断できないこともあります。

日本語の正しい理解のためにふだんから文法や語彙に意識を向けてきた受験生であれば、こうした状況でもうまく捌けるはずです。

また、選択式の設問には採点上の中間点が設定されないので、部分点を期待することができません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?