見出し画像

間違える伝統は続く

 音楽に歌が入っていれば、当然ながらなんて歌っているか気になります。何なら自分でも歌ってみたいと思うのは人として自然な行動です。

 そのためか、歌には昔から歌詞カードなるものが存在していました。昔はCDを買えば大体セットでついてきましたし、音楽の電子化が進んだ今でもインターネットで歌詞が確認できます。

 ビックリしたのは、歌詞カードと実際の歌が異なっている、なんてことが意外と珍しくない点です。もちろん、誤植ならば仕方がありません。ライブバージョンだと実際と歌詞が異なる場合もありますし、それが収録されている場合は「実際の歌詞と異なる部分があります」と丁寧に注意書きが添えられている場合もある。それもまだ分かります。

 分からないのは、実際の歌はAメロが2回繰り返しているのに、歌詞を見るとAメロ部分が1回しか書かれていない現象です。「※繰り返し」も書かれていない。何らかのミスかと最初は思ったんですが、その割にはチラホラ見られるんです。シングルでは合っているのに、ベストアルバムでは間違ってる、なんてパターンも見かけました。

 間奏でボーカルが何やら歌っているのに歌詞カードに何も書かれていない場合もあります。どうやって聞き取ったのか、カラオケでは間奏部分の歌詞がちゃんと載っているという怪現象に巡り合ったこともある。でも、私は気にしませんでした。

 理由は全く分かりませんでしたし、気にもしませんでした。特に困ってもいませんでしたので、「よく分からないけど、そういうもんみたいだ」と勝手に納得していました。先ほども書きました通り、今ではインターネットで簡単に歌詞が調べられます。それに、今はアーティストの公式YouTubeチャンネルで音楽が聴ける場合もある便利な世の中です。何なら、公式動画に歌詞が書かれていることもある。

 しかし、インターネットで公開されている歌詞もやっぱりAメロが1巡足りなかったりするんです。公式動画で「間奏部分でも何か歌ってんな」と思ってもそこだけ歌詞が表示されなかったりする。歌詞カードの伝統は、現在もちゃんと受け継がれているようです。受け継ぐべき伝統なのかどうか、音楽に詳しくない私には全く分かりませんけれども、なんかそうみたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?