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ジャガイモの芽に続きがありました

 ジャガイモが好きなんです。そう友人に言っていたら、農家をしている実家から大量のジャガイモが届けられて困っていたそうで、「だったらあげるよ」と言ってきました。食い気味に「くれ」と言ったら、わざわざ車で届けてくれるVIP待遇になりました。

 しかし、ジャガイモと言えば毒のある芽です。当然、食べられないんですけれども、ちょっとでも暖かな環境に放置すると埋めてもないのにすぐ芽を出す。ですから、定期的に芽を摘んでは袋に集めていました。それを使って悪いことしようと考えているやつに思われたらどうしよう、なんて思いながらも芽を摘み続け、もらったジャガイモを全て食べきってしまいました。

 というようなことを以前に書いたんです。

 実はそのあと、また友人と会ったんです。当然、友人の興味は私のジャガイモです。

「ジャガイモどう?」
「もう全部食った」

 友人は驚いていましたが、同時に「お前マジで好きなんだな」と感心していました。それならと友人はジャガイモ第2弾を再び車で送ってきました。何でも、実家から「ジャガイモはどうだ?」と聞かれた際、「食べたりあげたりしてもうない」と言ったところ、「だったらまだあるから送るよ」となったそうです。前回もかなりの量をもらったはずなんですが、友人の実家にはまだジャガイモが大量に転がっているようです。農家の底力を見せつけられた気分です。

 ただし、今回のジャガイモは前回と事情が違いました。前回は実家からジャガイモが届いた直後に私と会ったので、割と新鮮な状態で届けてもらいました。しかし、今回は実家から送ってもらって結構な日にちが経っていました。友人は言いました。

「たぶん芽が出ていると思うから、うまく取り除いて食ってくれ」

 私としては、前回のジャガイモで散々芽を摘み取って参りましたから、もう完全に慣れています。ベテランの域に足を踏み入れつつあると言ってもいい。ですから、「分かった分かった」と適当に流してジャガイモの詰まった箱を受け取りました。

 家に帰って箱を空けたらこんな感じです。


 私が今まで見た芽は、芋にちょこんと小さな角みたいに生えている状態ばかりでございまして、こんなニョロニョロしたのは初めてです。何かの寄生虫を連想させるロングサイズでございました。

 とは言え、同じ芽である点に変わりはありません。30分くらい無心で芽を摘出いたしましたところ、私のよく知る形態のジャガイモに戻りました。

 ビニールに放り込んだ芽はなかなかの状態です。

 撮影をして遊んでいると、ちょうど友人から電話がかかってきました。

「ジャガイモどうよ」
「予想外に芽が伸びてた」
「やっぱりな。取り除いたのか」
「袋に入れたら完全にモヤシ」
「誰かのモヤシ炒めに混ぜるなよ」

 恐ろしいフリを残して友人は電話を切りました。

 しかし、よく考えれば、前回に集めたジャガイモの芽はどれも粒状でございました。それが今回はモヤシ状です。より多くの毒を収集している形となっています。はたから見たら私は「犯罪傾向が進んでいる」状態なんじゃないでしょうか。

 不安になって来たので、この時も内密に処分した次第です。

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