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M-1グランプリ決勝進出者は、昨年どの辺りまで勝ち進んでいたのか

 M-1グランプリは予選が始まっておりまして、年末の決勝に向けて熾烈な戦いが続いております。そうなると、いろんなことが気になってくるわけです。

 例えば、M-1最大の感心ごとのひとつに「誰が決勝進出するのか」があると思うんです。昨年のファイナリストが再び出てくるのか、ずっといいところまで来ていたのに惜しくも進出できなかった組が決勝初出場を達成するのか、それとも関係者完全ノーマークのダークホースがスルッと決勝の舞台に現れるのか。いわゆる「本命」「対抗」「大穴」です。出場者は主にこの3つに分けられることでしょう。

 中には決勝進出メンバーを予想しておられる方もいらっしゃいます。当然、そういう楽しみ方もございますけれども、私は別のことが気になっていました。決勝進出した方々は、前年大会にどんな成績を残していたのか。せっかくなので調べてみました。

 今回の調査で対象となるのはもちろんM-1決勝進出者で、公式サイトなどから情報を収集してまとめました。ただし、初回である2001年と、休止を経て再開された2015年は昨年の成績が存在しないため除外しました。

 また、2010年以前と2015年以降ではコンビ歴の制限が異なっています。2010年以前はコンビ歴10年以内、2015年以降はコンビ歴15年以内ですね。また、2010年からは準々決勝が設けられているため、2015年以降は前回大会の成績が準々決勝敗退という芸人が出てきています。

 以上のような理由から、2002年~2010年と2016年以降とで分けて集計してあります。

 早速の集計結果でございますが、以下の通りとなりました。

M-1決勝進出者の昨年大会成績( 2002-2010, 2016-2022 )

 昨年大会で上位に食い込んでいる組ほど決勝進出している傾向が何となく見えてきます。ちなみに、昨年1回戦敗退の組が決勝に進んだ例はゼロでした。また、結成した翌年に決勝へ進んだ組も今のところ存在しません。ただし、M-1休止中の2012年に結成したメイプル超合金がM-1復活の2015年に初参加し、決勝に進んだことはございます。

 2002年~2010年と2016年以降に分けて、もう少し詳しい表も作ってみました。

M-1決勝進出者の昨年大会成績 詳細( 2002-2010, 2016-2022 )

 まず2002年~2010年では、決勝進出者の9割近くが、昨年には準決勝以上の成績を残しており、1大会平均8組を占めてきました。この頃のM-1は決勝進出できるのが9組のため、大半の組が昨年に準決勝まで勝ち抜いている状態です。ザックリ表現するなら、昨年決勝進出組が「本命」、昨年準決勝進出組が「対抗」といったところで、ほとんど「本命」と「対抗」が決勝進出していたわけです。

 ただし、昨年3回戦以下のダークホース組、すなわち「大穴」も少ないながら存在しており、M-1の「何が起こるか分からない」感を演出しております。ちなみに、昨年3回戦だった決勝進出組は「東京ダイナマイト」と「ハリセンボン」、昨年2回戦は「笑い飯」と「アンタッチャブル」で、ハリセンボンとアンタッチャブルは更に前の大会で準決勝進出経験があるため、事実上のダークホースは笑い飯、次点で東京ダイナマイトとなります。ちなみに、当時ダークホースの代名詞となっていた「麒麟」は2001年が初出場のため、今回はカウントされていません。

 また、昨年不参加の決勝進出組は2001年の出場が確認できなかった「スピードワゴン」と「テツandトモ」の他、既に売れているなどの理由で敢えて出場しなかった「フットボールアワー」や「キングコング」が該当します。

 準々決勝が設けられた2016年~2022年では、2010年以前に比べて昨年決勝&準決勝の組が減り、その分、昨年に準々決勝で敗退した組が占めるようになりました。昨年準々決勝だった組は全体の20%少々、1大会平均1.6組となっており、昨年準決勝と合わせて「対抗」勢力になっているように見えます。

 3回戦以下が「大穴」である点は2010年以前と同様で、「少数派ではあるけれどもたまに現れる」といったところです。ちなみに昨年3回戦敗退で決勝に行った組は「さや香」、「オズワルド」、「おいでやすこが」で、昨年2回戦敗退は「馬鹿よ貴方は」、「カミナリ」です。ただし、馬鹿よ貴方ははTHE MANZAI時代に認定漫才師になった経験があります。昨年不参加で決勝に行った2組は「アキナ」と「ハライチ」です。

 これらはあくまで2022年大会までの記録をまとめたものでございまして、昨年に1回戦敗退した組は絶対に決勝へ行けないことを示すものではありません。非常に低確率である点は間違いないでしょうが、昨年1回戦敗退でも決勝に行く可能性はあるとは思います。もちろん、現実的に決勝が射程圏内に入っている組は準々決勝進出者だろうなと思わせる記録でもあります。

 今回の調査は以上となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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