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埴輪を追いかけた先で祭が開催されてたんです

 友人と共に車で千葉県の北東部を走っていました。もう本当に移動自体が目的の小旅行です。途中で海岸に立ち寄って砂浜で貝殻を投げつけ合ったり、道の駅で現地の名物丼を食べてむせたりしながら、車は芝山町に差しかかっていました。

 大都会が鎮座する関東地方もここまで来ると、のどかな風景が広がっています。あちらこちらに田んぼや雑木林が見られる。自然には困りませんが、刺激は不足する。私も友人も口数が少なくなり、代わりにあくびが増えてきました。

 小さな交差点で信号が変わるのを待っていますと、一台の白い軽トラックが目の前を横切りました。私と友人は互いの顔を見やりました。というのも、そのトラックの荷台にはデカい埴輪が載っていたからです。

東京国立博物館で見かけた埴輪人形
東京国立博物館で見かけた埴輪人形

 もうマジでこういうノリの埴輪でした。高さは2メートル近くあります。「何だあれ」「追いかけるしかねえだろ」。私たちは過去に例を見ないほど不審な物体を載せた軽トラックを追いかけました。やがて、軽トラックはとある大きな公園の駐車場に止まりました。私たちも同じ駐車場で車を止め、埴輪を運ぶ人たちの跡をつけてゆきますと、埴輪は公園の中へ運ばれてゆきます。そこには簡易的なゲートが作られてありまして、脇に立てられた看板にはこう書かれていました。「はにわ祭」。

 どうやら芝山町では埴輪が出土する土地柄のようで、年に1回のペースで開催されているようです。

 祭ならばとりあえず参加しようということになり、人が集まっているところへ行くといきなり〇×クイズが開催されまして、我々は完全に巻き込まれる形で参戦するも3問目であえなく敗退、残念賞でなぜかキャベツを1玉もらいました。

 埴輪を運ぶ軽トラを追いかけたら公園ではにわ祭をやっていて、そこでクイズに参加したらキャベツをもらう。狐に化かされたと言われても信じてしまいそうな経験でした。

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