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占いは時に進化させられる

 変化しないもののほうが珍しいんです。生き物はもちろん、無生物だって同様でございまして、大陸でさえ毎日少しずつ動いている。目に見えないものだって、例えば言葉も考え方も変化しまくっているはずなんです。

 でも、人はついつい「変わらない」と思ってしまいがちです。今までも同じだったから、これからも同じなんじゃないかと何となく思ってしまう。そして、いきなり変わってビックリしたりするんです。

 山手線なんかまさにそうです。あれだけ駅と駅の間がギチギチな路線に、まだ駅を作れたのかとビックリしたものです。できた駅にハイカラな名前がつけられて二度ビックリです。駅と駅の間がギチギチじゃないかというのは私の思い込みで、JRとしては「まだここがいけるだろ?」と考え、計画を進めていたのでしょう。ひょっとしたら現段階の山手線はまだまだ野望の途中で、いつかは全区間を駅で埋め尽くす壮大な計画を立てているのかもしれません。

 壮大な計画と言えば、元素もまた同様です。化学の教科書なんかで周期表にまとめられている例のあれです。

 教科書であれだけカッチリと一覧にしてあるんだからもう増えも減りもしないのかと思いきや、新たな元素を作り出そうと日夜研究を進めている集団が世界のあちらこちら存在しておりまして、お陰で今でも新しい元素がちょこちょこ見つかっています。日本の名前を取ったニホニウムなんかも最近になって存在が確認された元素のひとつです。

 今のところ、見つかった元素は118種類のようですが、一説には173種類までは見つかるんじゃないかと言われているそうです。つまり、まだまだ元素は増える考えられていて、少なくとも173まではやってやろうと壮大な計画を立てている人が世界のどこかにいると思われます。

 元素研究の最先端なんて化学のテストで出ることはまずないと分かっていても、周期表の元素を覚えさせられた人間としては、あのややこしいのがまだ増えるかと思うと今でもげんなりできます。

 こんな感じで、いろんなものが割と変化しているんです。だから、「今までもそうだったから、今後も変わらんだろう」と思っていると、いざ変わった時に思わぬ影響を受けてしまうんです。

 なんでまたそんなことを思ったのかと申しますと、先日、例の新参ハイカラ駅こと高輪ゲートウェイ駅をぼんやり眺めていて気になったんです。「そう言えば昔、『山手線占い』ってのがあったな」と。

 山手線占いとは占い結果を山手線の駅に例えて説明する占いでございます。生年月日で「あなたは〇〇駅です」と断言する占いで、駅に応じた占い結果が出てきたと記憶しています。

 その昔、占い結果を日常の何かに例える占いが流行った時期がありまして、山手線占いもその一種だと考えられます。普段占いなんてやらない私も姉に無理矢理やらされまして、田端駅という結果を出して鼻で笑われた記憶があります。上京してすぐに田端駅を確認して理由が何となく分かりました。ちなみに姉は渋谷駅。鼻で笑うはずです。

 そんな山手線占いでしたが、ここへ来て新たなハイカラ駅が出てきた。山手線占いはちゃんと対応しているのか気になったんです。高輪ゲートウェイのために新たな診断結果をひねり出しているのかと。

 軽く検索したら、対応している山手線占いはありました。

 しかし、生年月日から判断する形式ではなく、質問内容から判断する形式でございました。他にも、駅名が確定していない時に作ったのか、高輪ゲートウェイの部分が「?」になってるサイトもありました。

 山手線占い業界がバタバタしていたことを感じさせる描写です。

 とは言え、山手線占いは今のところ新参者がひとつで済んでいます。しかし、「〇〇占い」の中には元素占いもあるんです。元素は山手線よりも数が増える可能性が高い。しかも、数十種類は増えるかもしれない。それだけの運勢を考えるなんて相当面倒です。元素占いはどうなっているのでしょうか。

 公式サイトはなくなっていますが、どうやら118元素まで対応してるっぽいサイトが確認できました。

 しかし、こちらも質問形式の占いです。生年月日から判断する占いですと、どの生年月日を新参者に割り当てるのか大変だから、数がちょこちょこ変化するものとは相性が悪いのかもしれません。下手に変化されたら、占い自体を大幅に改造せざるを得なくなってしまうからです。

 山手線や元素は、本当に思わぬところまで影響を及ぼしているのだと思い知った次第です。

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