今のスタンダードが楽しくない、について

　さて、最近TLで私以外の人も話題にし始めた、今のスタンダードについて思うところをちょっと言語化しようと思います。何か、一部で勝てないのが嫌だからっていう雑な理解（それも一部ではあるけども）をされているのはちょっと不本意なので。

・Tier1がいない

　大体、マジックのメタゲームって言うのは環境で強いデッキがTier1として存在し、それらの対抗勢力がTier1.5、Tier2といった層を形成してメタゲームが回っていくというのが一般的な環境だと考えています。

　しかしながら、今のスタンダード環境には明白にこのデッキが強い、というデッキがありません。強いて言うとスゥルタイ根本原理がやや抜けているかなと思いますが、それも決して支配的ではなく、どんなデッキを握っても明白な有利不利があまりない。

　それって悪い事なの？　むしろいい事じゃないのって思う人もいると思います。私もそれを一概に否定する訳ではないですが、私をはじめとした競技プレイヤーの多くは、Tier1デッキを握るorTier1に勝てるが他を捨てるデッキを握ると言った選択をして大会に臨む人がほとんどだと思います。
　ところが、ここで段落タイトル通り、Tier1デッキの不在が問題になります。スゥルタイ根本原理、ジェスカイサイクリング、ティムールアドベンチャー、ナヤアドベンチャー（フューリー、クラリオン含む）、白単アグロ、赤単アグロ、これら全てのデッキに明白な相性差がなく、やりたい事を先にやれた方が勝つマジックに今はなっている。これがTier1がいない、あらゆるデッキがTier1.5の横並び状態であると私は考えています。

・カジュアル層と競技層の意識の乖離

　カジュアル的に考えると、ラダーで多様なデッキと当たるというのは面白いと考えてもいいと思います。ですが、日本選手権予選、本戦、SCG、セカコロ二次予選以降と言ったリスト公開制のスイスドローの大会に参加し、上を目指すプレイヤーにとっては、何を握れば正解なのかが解らない状況に陥っている。

　曰く、根本原理を通せば勝ち。
　曰く、サイクリングしまくって天頂の閃光ぶち込めば勝ち。
　曰く、黄金架のドラゴンをパンプして投げれば勝ち。
　曰く、エンバレスの宝剣付ければ勝ち。
　曰く、アールンドの天啓打てば勝ち。
　曰く、クラリオンのスピリットで大量展開すれば勝ち。
　曰く、エッジウォールの亭主でドローしまくれば勝ち。
　曰く、グレートヘンジでドローしまくれば勝ち。

　そして、上記のような勝ち手段を咎める手段が今のスタンダードには乏しい。カウンター？　除去？　そんなのやられる方も解ってるのでそれらの対策をサイドボードなりメインなりに積んでおけばいいだけの話です。繰り返しになりますが、やりたい事をやった方が勝つ、そこにメタゲームの入り込む余地がない。私は特に環境理解をした上でメタって勝つのが好きなプレイヤーですが、本当に今の環境は何を握るのが正解か解らない。というか、何を握っても勝つし負けるから大会に向けての対策が立てられない。これが、今のスタンダードが楽しくない最大の理由だと思います。

　日本選手権予選SEASON1は、今週末がラストチャンスです。
　でも正直な気持ちを言えば、予選突破できる気は欠片もしません。
　それでも出るのか？　2000*4円の無駄ではないか？
　ここもカジュアルプレイヤーとは違うところで、ラダーで無料で遊んでる人たちとは違い、競技プレイヤーは参加費を払って参加しています。ある意味遊びではないのです。日本選手権予選なら一回2000円。土日に四回あるので全部に出たら8000円です。さらに一ヵ月間全部参加したら32000円。全くバカにならない金額です。それだけのものを賭けて、勝ち方が解らないから病むのです。さらにそこで事故って負けたら何をかいわんや、です。

・それでも勝つ人はいる

　その通りです、それでも勝てるのが本当に強いプレイヤーなんでしょう。
　私がその域に達してないだけと言われたらそうなのかもしれません。
　このnoteは、いわば負け犬の遠吠えです。今のスタンダードが解らない人間の泣き言です。でも、言語化して整理して今の気持ちをはっきりさせないと前にも後ろにも進めない、そんな心持ちなのです。心情を解ってくれとはいいません。ただ、そういう人間が今のマジックを楽しめてないのだな、と理解してもらえればそれで十分です。

　最近、自分がTLに愚痴を撒きすぎてる自覚はあるので一度吐き出す事にしました。特に内容のない稚拙なnoteですが、最後まで読んでくださった方ありがとうございました。

　あー、今週末どうしよ……。