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試作51

体調不良が続く。
喉の痛みの他に最近特に恐れているのが、発熱だ。

前日はいたって普通の体調であったにもかかわらず、翌深夜になって目が覚めて、そこから急に発熱が始まった。全身に静電気のような痺れがゆっくりと広がってゆく。手足が強張り、力んだ状態になる。腕や腿がビクビクと震え始め、その振動はついには全身にまで広がった。
歯がぶつかり合ってカチカチとうるさい。振動は波のように小さく大きくを繰り返す。抑えつけようとさらに力むものの、強張った体の芯から震えているのだからか、収まる気配がない。
頭は目覚めているのでスマホで検索してみると、発熱と合わせて発生する「悪寒戦慄」という症状に近いことがわかった。漫画にあるような、ガタガタ震える寒い表現そのものを体感していた。
心細いとはこのことだと冷静に感じていた。誰も起きていない深夜二時。家人を起こそうにも、動くことすらままならない。救急車を呼ぼうかとまで考えたが、一般的には数分で治まると書いてあったので、それを待つことにした。同時に家人の携帯を鳴らして起きて来ることを願い、コールを続ける。
数回の発信の後、通話状態になったときは心底助かった安堵感に満たされた。
震える声の呼びかけに応じてくれてからは、妻は心配そうな顔で付き添ってくれた。
しばらく震えが続いた。が、布団を重ね暖房をつけて暖かくしてもらうことで、ようやく治まった。体温を上げるために痙攣するのだと書いてあった。暖まったので、震えがとまったのだろう。
熱は39度を超えた。震えは停まったが、頭痛がひどい。身体を起こすのもようやくだ。
解熱剤を持ってきてもらいなんとかして飲み込む。この薬の効果を期待しつつ眠ることにした。

翌朝、熱は未だ下がらず。起き上がることも辛い状態だ。トイレに立つのもやっとのこと。とりあえず布団から出ることなく過ごすことにした。
二錠目の解熱剤を飲んだおかげか、昼過ぎにはほぼ平熱まで下がった。

夜中に急に高熱がでたのは初めてだった。痙攣も起こったので正直不安である。処方箋はしっかり服用して、酒を控えて回復を優先することにして、ようやく体調も落ち着いたのはその翌週になってだった。
予兆もなくこういうことになるのは本当に怖い。原因も不明とあれば、なおのこと。
今年は体調優先で見直さなければ…


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