見出し画像

【第100回】ビッグ・ビル・ブルーンジー/ビッグ・ビルズ・ブルース

自分が歳を重ねてきたせいか最近「タモリ」さんってホントに魅力的な人だなぁと感じるようになってきた。若い頃は特に何とも思わなかったんだけれどねぇ。タモリさんの魅力ってどんな事に対しても「真剣に」興味を持つことだと思っている。「真剣に」というのが肝で、「真剣に」興味を持っているからこそいろいろなことに知識が深くて、それでいてその知識をひけらかすようなところがない。ただ純粋に好奇心が旺盛なだけなのだろう。そんなところがタモリさんの魅力なのではないかと思っている。「タモリ倶楽部」のタモリさんはどんな企画でもとても楽しそうだし、「ブラタモリ」のタモリさんはいろいろな場所に行けてとても嬉しそうだ。そういった意味でいうと、「笑っていいとも」が終わってからのタモリさんのほうが、よりその魅力がお茶の間に伝わるようになったような気がする。
さて、ここまで散々タモリさんの魅力について話をしてきたのだけれど、今回はそんなタモリさんの芸能界入りを後押ししたと言われる「赤塚不二夫」さんのようなブルースマンについてお話したいと思っている。ブルースマンの名は「ビッグ・ビル・ブルーンジー」、「マディ・ウォーターズ」がシカゴに出てきた際にお世話をしたと言われる人である。実際マディさんにどんなお世話をしていたのかはよく知らないけれども、ビッグビルさんが亡くなった際に、マディさんは追悼LPを吹き込んでいる位なので、かなりの恩を感じていたことは確かであろう。そんなこともあり、さらには「サニー・ボーイ・ウィリアムソン・Ⅰ」のバッグでギターを弾いていたこともあって、名前だけは何となくは知っていたビッグビルさんである。
ビッグビル(=大きな建物)という名前や、ジャケットに写るスーツにオシャレな帽子と、とても都会的でスマートなイメージのあるブルースマンだ。年代的には戦前から戦後にも活動していた人のようであるが、今回聴いてみた「ビッグ・ビルズ・ブルース」は戦前の1936-41年に録音された曲が収録されているLPである。
実際に聴いてみた感じは、私がビッグビルさんに抱いていたイメージ通りの都会的なブルースである。中にはギターとボーカルだけの弾き語りの曲もあるけれど、基本ピアノも含まれていてお洒落で大人な雰囲気ムンムン。ときにはトランペットも入ってきたりして、結構ジャズっぽい曲もあったりする。泥臭さというか田舎っぽい感じは全くなくて、もう完全にシティ・ボーイという感じ。聴いていて思い出したのは「リロイ・カー」だ。リロイさんもギターとピアノの都会的なブルースだもんね。
ちなみにこの人、ボーカルもなかなか男らしい良い声をしている。マディさんのような男臭いボーカルというよりは、スマートな男らしさという感じ。マディさんとは別の意味で艶のあるボーカルだ。そういった部分でもお洒落なイメージを抱かせるのであろう。まさしくブルース界の伊達男ですね。
さて、「赤塚不二夫さんのようなブルースマン」ということから始めさせていただいた感想文であるが、結局赤塚さんとビッグビルさんの共通点ってお世話した人ってこと以外、全然イメージが違うね。別にタモリさんとマディさんに共通する点があるわけでもないし、これでいいのか。

ビックリする(ビッグ・ビル)
ブルース爺(ブルーンジー)は
伊達男

季語はブルース。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?