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【第62回】バディ・ガイ・アンド・ジュニア・ウェルズ/プレイ・ザ・ブルーズ

「エリック・クラプトン」をキッカケに聴き始めたブルースだったけれど、ついにクラプトンさんがプロデュースするという作品にまで行き着いてた。「バディ・ガイ」と「ジュニア・ウェルズ」連名で発表した「プレイ・ザ・ブルーズ」である。お二人とも私の大好きなブルース・マンだし、その上ブルースを聴くキッカケともなったクラプトンさんプロデュースということで、これは聴かないわけにはいかねッス。
このLPは1972年発表なのだが、私はそれより古い時代のブルースを聴くことが多いので、1970年代とかでも結構最近ねと感じてしまう。これは別に聴かず嫌いをしているわけではなく、私が参考にしている「BLUES RECORDS GUIDE BOOK」で紹介されているLPにそれよりも古いものを紹介していることが多いからである。そのガイドブックを参考にLPを聴き漁っていると、自然古いものばかりを聴くようになってしまい、そのため1970年代と聞くと最近の音楽のように感じてしまいがちになるのだ。
さて、このLPなんだけれどファンキー・ブルースあり、シブいスロー・ブルースありで、セッション風の雰囲気があるんだけれど、しっかりまとまっていてとても良いブルースLPである。どれもこれも良いなと思える、捨て曲なしの素晴らしいLPだ。
私としてはやっぱりウェルズさんのボーカルのほうが好きなので、どうせなら全部ウェルズさんがボーカルとハープで、ガイさんをギターで統一してやってくれたほうがスッキリするのにな、なんて思ったりもするけれど。このあたりクラプトンさんのプロデュースの匙加減だったりするのかしら。
この頃のクラプトンさんて「クリーム」を解散して「デレク・アンド・ザ・ドミノス」で「レイラ」を発表して、ソロ活動をするかしないかとか、そんな時期になるのかな。正直クラプトンさんというと私にはギタリストというイメージで、プロデューサーというイメージが沸かないんだけれども、実際のところはどうなんだろう。少なくともこのLPでのプロデュースはうまく行っているように私には感じるのだが。まあこのLPでは「トム・ダウド」という名物プロデューサーとの共同プロデュースだったようなので、そちらの方の功績も大きいのかもしれないけどね。
ちなみにこのLP、私的にはウェルズさんの名盤「フードゥー・マン・ブルース(以下「FMB」)」と比べても遜色ないは言い過ぎだけれども、なかなか良いLPだと思っている。時代の流れに合わせて「FMB」を進化させたようなイメージがあって。ただ「FMB」に比べると泥臭さが薄れて陽気な雰囲気が強くなっただろうか。それに伴ってウェルズさんのクセのあるボーカルか薄れてしまった気がするのは、少し残念なところである。もっと奇声をあげたり、ウェルズさんを出してくれて良かったのに。
ところで私はそこまでクラプトンさんに詳しくないのだけれども、クラプトンさん・ファンがこのLPを聴いたら楽しめるのだろうか。私は聴いていてクラプトンさんの色みたいなものは、ほんのり感じたのだけれど(先入観のせいかもしれませんが)。
というわけで、ブルース・ファンには泥臭さ薄め、ウェルズ・ファンにはクセが薄め、クラプトンさん・ファンにはちょっとよくわからん、ガイさんに至ってはあまり話題にもあげられず、私的には好きなLPなんだけれども、なんと言ってオススメしたら良いのかわかりにくいLPなのです。

クラプトン
ブルース指揮して
これでいいっす?(プロデュース)

季語はブルース。

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