(公開シナリオ)「ズームで鈍すぎる男に告白しようとした件」

リモート演劇用 脚本
「ズームで鈍すぎる男に告白しようとした件」


作:ササキタツオ+花緒


■人物
唯(25)会社員
雅人(25)会社員

……二人は大学の同期である。

《企画意図》
告白しようとして頑張る女の子と、鈍すぎるイケメンの掛け合いを会話劇で演じます。

《本編》
〇ズーム画面 それぞれの部屋
   唯(25)と雅人(25)がオンライン飲みをしている。
唯がお酒をグビグビと飲む。
唯「(戸惑いつつ)あのですね……。この前、会社の同期に告られちゃいましたっ!」
雅人「(無関心そうに)へえー」
唯「しかも! 同時に2人! 2人だよ! 2人! すごくない!?」
雅人「何? ズームで相談って、えっ? 単なる自慢話?」
唯「いや、自慢とかじゃなくて……振った。振ったんですよ。丁重にお断りしてしまいましたー、って話でして……」
雅人「ふ〜ん。なんで?」
唯「(試すように)さあ。なんでだと思う?」
雅人「知らんし。断ったの、お前だろ……」
唯「胸に手を当てて考えてみたけど。わたしが本当に好きな人はこの人じゃないなって」
雅人「えり好みばっかしていると、チャンス来なくなるぞ?」
唯「でも、わたし、諦めて、好きじゃない人と付き合ったりしたくないなって」
雅人「お前さ、そんな話、女友達にしろよ。俺に言って、どうして欲しいん?」
唯「だってー。みんな彼氏いるし。話せる大学の同期は、もはや雅人しかいない! それに、何より……」
雅人「(遮るように)いや、消去法で俺かよ。どうせ俺は余り物だよ。誰からも告白とかされたことねえし……。ずっと彼女も出来ないし……(落胆……)」
唯「(慌ててフォローする)でも、好かれてないなんて思わないよ。むしろ雅人のこと好きな娘もいると思うよ。例えば……」
雅人「って、止まってるし。良いよ、気を使わなくて。人に好かれるには、俺、神経が繊細すぎるんだよな(再び落胆……)」
唯「神経が繊細……?」
雅人「変に気が利いちゃうからさ。一を聞けば十を知る、みたいな? 色々わかりすぎちゃうんだよ、俺……」
唯「じゃあ、私のことも、わかるよね?」
雅人「おう、もちろん! もう眠いからボチボチ会話切り上げたいなって。そうだろ?」   
唯、ムッとして黙り込む……。
雅人「ほら当たり! んじゃ。おやすみー」
唯「えっ。ちょっと!」
   雅人、画面オフ。
唯「ほんと。もう! 鈍すぎっ……!」  (了)

《実際に撮影するとこんな感じになります!》


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