OWCモノローグ)名も知らぬ by harlequin moon

オオバコ
エノコログサ
ヒメジョオン
ネジバナ
カタバミ
アカツメクサ
ホトケノザ
ハハコグサ
カラスノエンドウ
オオイヌノフグリ

雑草という名前の草はない
それぞれに名前がある
地に根を張り 風に揺れる彼らは
無名の存在ではない

しかし、彼らは雑草として刈られる
私も刈る
名前は記号で、彼らのことを知らないから
カラスノエンドウが自らの美しさに酔いしれていようが
ネジバナが自らの儚さに悩んでいようが
彼らと語り合うこともない

もし、彼らと知り合うことができたら
私は刈ることができなくなるのだろうか
名も知らぬ人であれば
標的として記号化された人であれば
語り合うこともない人であれば
引き金を引いてしまうのだろうか
ボタンを押してしまうのだろうか

名前を持ち 個性を宿すことを知っているのに
我々は、繋がり合い 理解し、知り合うことができるというのに
オオバコ エノコログサ ヒメジョオン ネジバナ カタバミ アカツメクサ ホトケノザ ハハコグサ カラスノエンドウ オオイヌノフグリ

彼らの姿を見つめると
自然の力強さを感じる
人と人とが理解し、知り合うことが
大切であることを訴える
名前のない存在を見つめ
個々の美しさに気づくことで
互いの違いを尊重し
共に生きることの大切さを知る

オオバコ エノコログサ ヒメジョオン ネジバナ カタバミ アカツメクサ ホトケノザ ハハコグサ カラスノエンドウ オオイヌノフグリ
名前のある雑草たちが
自然の中で息づき
自分を知ってくれと訴えかける
自分の美しさを見せ
自分の儚さを訴えて
しかし私は彼らを刈る
刈られた彼らは
私に平和と連帯を語っていても

オオバコ エノコログサ ヒメジョオン ネジバナ カタバミ アカツメクサ ホトケノザ ハハコグサ カラスノエンドウ オオイヌノフグリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?